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ジャイアンツ小林誠司の課題――打てる捕手こそレギュラー定着の近道

21世紀は阿部主体のチームづくりで結果を残してきた巨人。しかしそこから脱却をしなければならない時期がきた。正捕手として期待されるのは、小林誠司。そんな小林が正捕手の座をつかむための課題は明確だ。

2015/09/12

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21世紀の巨人は阿部中心のチーム

「キャッチャーが打たれへんかったら、(DH制のない)セリーグだったら打順にピッチャーが2人おるのと同じことでしょ?」

 元ロッテの里崎智也氏はベースボールチャンネルでのインタビューで、捕手のバッティングについてそう言った。今シーズン、巨人軍は10数年ぶりにその「捕手の打撃」で悩んでいる。阿部慎之助が中央大学からプロ入りしたのは2001年。21世紀の巨人の歴史は、そのまま「キャッチャー阿部」の栄光の軌跡でもある。昨季までのプロ生活14年間で7度のリーグ優勝を経験。その間、阿部の打撃成績は通算1720安打・346本塁打・1037打点。もちろんすべての項目で巨人の捕手史上最高の数字である。チームが5冠に輝いた12年シーズンは、正捕手を務めながら打率.340・104打点で打撃二冠を獲得。極度の打撃不振と言われた昨季でさえ、19本塁打・57打点は12球団の捕手でトップの数字だった。

 まさにレベルの違うセ界最高クラスの打てる捕手も、36歳の今季から一塁手へ転向。チーム事情でシーズン途中に捕手にカムバックしたものの、ファウルチップが直撃して首痛悪化で登録抹消。6月中旬に1軍復帰後は再び一塁手としてプレーしている。そんな阿部の穴を埋めたのは、39歳の相川亮二だった。今季40試合で打率.313・4本塁打・17打点・OPS.889。得点圏打率.529(17-9)とチャンスでは無類の強さを発揮。貧打に悩むチームの救世主的活躍を見せるも、7月28日のDeNA戦で二塁に滑り込んだ際に左手を骨折。この相川離脱後の先発出場数を見てみると2年目の小林誠司27試合、ベテラン加藤健7試合。出場試合数的には26歳の小林がレギュラー捕手に最も近い立場にいることは間違いないだろう。

 高い盗塁阻止率を誇る強肩は球界トップクラス。イケメンのドラ1捕手ということもありファンの期待値も高い。今の小林の課題はとにかく「打撃」である。例え捕手の打率1割台でもDHでカバーできるパリーグとは違い、セリーグの捕手には8番目の打者としての攻撃力も求められる。里崎氏は言う。「リードは投手陣の陣容やチームの成績にも左右される相対的な評価でしかないし、1軍の試合に出てデータをアップデートしていくことでしか向上は望めない。だとすれば、「打って」より試合に出るほうが、正捕手の座に近づくのは必然」(里崎智也の里ズバッ!より)

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