【2022ヤクルト・戦力分析】本拠地を考慮すると投手力は既にNo.1。さらに投手を強化し連覇を狙う
2022/03/23
DELTA・竹下弘道
東京ヤクルトスワローズ 得失点差で見る戦力分析【2022シーズン】
2022年シーズンのプロ野球開幕が目前に迫っている。今季の各チームはどのような陣容で開幕を迎えるだろうか。本シリーズは「戦力分析」と題して、昨季の状況を振り返り、オフシーズンの動向を確認することで今季のポイントを考えていく。今回の対象チームは東京ヤクルトスワローズだ。
1.優勝とAクラス入りにはどれだけの底上げが必要か?
「前年の優勝チームに底上げは必要ない」という見方もあるかもしれないが、優勝ラインはシーズンによって異なる。そこで、一般的な優勝ラインに対してヤクルトがどのくらいの位置にいたかを確認したい。昨季のセ・リーグ順位表(図1)を見てみよう。
ここでは得失点差(得点から失点を引いた数値)に着目する。得失点差はチームの勝敗と連動する性質があり、「得失点差の1/5」は「貯金」におおむね一致する。この性質を利用すると、得失点を何点改善すれば優勝とAクラス入りできるかを割り出せる[1]。
昨季のヤクルトの得失点差は「+94点」だった。ここからは貯金19が予想され、実際はこれに近い貯金21となったことで優勝に輝いた。ヤクルトの優勝は6年ぶりである。
一般的な目安として、Aクラス入りには得失点差±0点(貯金0)、優勝には得失点差+100点(貯金20)が求められる。つまり、ヤクルトは現状維持でもAクラスは狙える一方、優勝を確実にするためにあと6点、得点を増やすか失点を減らして得失点差を改善したい。