【2022巨人・戦力分析】課題の投手・外野手に大型補強。吉川尚輝が欠場を減らせるかもポイント
2022/03/24
産経新聞社、DELTA・竹下弘道
4.今季の選手供給の見込みは?
ここまでに論じた補強ポイントを踏まえて、巨人が新しい選手をどれだけ用意できるかを見ていきたい。一軍に選手を供給する手段は、①二軍から選手を引き上げる、②ドラフトで獲得する、③国内外の他チームから獲得する、の3つだけだ。それぞれの手段について、どのような選手供給が見込まれるかを見ていこう。
まずは二軍だ。二軍において得失点差への寄与が優れる選手は、一軍でも得失点差を改善する見込みが強いと言える。ここでは2021年の二軍において、各選手が得失点差に何点分の寄与をもたらしたかを調べた[6](図5)。グラフは縦軸が得失点差への寄与、横軸が年齢を表しており、優秀でなおかつ若い左上の選手は将来的な一軍定着を期待しやすい。
投手で目立った成績を残しているのが23歳の平内龍太だ。高い奪三振率と低い与四球率を両立し、ゴロピッチャーで被本塁打が少ないなど目立った欠点はない。二軍ではリリーフ中心に登板しており、一軍のブルペンの底上げに貢献できる可能性がある。
また本職は遊撃手であるものの、両翼でも起用できそうなのが24歳の廣岡大志である。過去の一軍での実績を踏まえると、本来なら二軍にいてはいけない選手だろう。両翼で打撃のプラスを稼げる可能性もあり、本職の二遊間でライバルの坂本と吉川が万全であれば[7]、両翼起用も検討してよさそうだ。
次はドラフトを見ていこう(図6)。育成契約の選手が1年目から戦力になるケースは稀なので、支配下契約の選手のみを見ていきたい。
1位の大勢をはじめ、7人中6人で投手を指名。投手の指名人数がセ・リーグ最大となる投手重視ドラフトとなった。投手の底上げに手は打たれた格好だが、近年の巨人はドラフト上位投手の定着率が悪いため、そこを打破できるかがポイントとなる。
一方、もう一つの補強ポイントの両翼には5位で岡田悠希を指名。投手と比べると頭数は少ないがこちらにも手は回せている。
最後に補強を確認する(図7)。こちらも育成契約の選手が1年目から戦力になるケースは稀なので、支配下契約の選手だけを見ていく。
補強では投手のマット・アンドリース、マット・シューメーカー、外野手のグレゴリー・ポランコ、アダム・ウォーカーを獲得。ウォーカー以外の3選手は大型契約となっており、補強ポイントに対して高額年俸の選手3人を確保できたかたちだ。