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【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】 「シリーズ男」は誰? 両チームの伏兵捕手の打撃に注目!

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。第12回目は「日本シリーズ」についてだ。

2014/10/24

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両チームの対戦成績は互角

 明日25日から日本シリーズが開幕する。今年はパリーグがペナントレースを制した福岡ソフトバンクホークス、セリーグがペナントレース2位、クライマックスシリーズで巨人を下した阪神タイガースの対戦となる。
 
 今でこそソフトバンクは九州のチームだが26年前まで大阪を本拠地とし、南海ホークスと名乗っていた。
 またタイガースとホークスは、戦前、1リーグ時代は同じ関西地区を本拠とするライバル同士でもだった。
 
 2リーグに分裂してからの、両チームの戦績を見てみよう。
 
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 日本シリーズでは2度対戦していて、2度ともホークスが制した。しかしいずれも4勝3敗。また2005年に交流戦が始まってからの戦績はタイガースの20勝21敗3引き分け。
 戦力は拮抗し、好勝負を演じてきたことがわかる。
 
 今季、ソフトバンクはチーム打率.280でパ1位。防御率は3.25で2位。阪神はチーム打率.264で3位、防御率は3.88で5位。
 数字だけからすれば、ソフトバンクに分があるように見える。
 
 しかしソフトバンクは、クライマックスシリーズのファイナルで日本ハムに苦しみ、アドバンテージの1勝を加え辛うじて日本シリーズに進出した。これに対し、阪神はファーストステージ、ファイナルステージを通じて無傷の5勝1分けで勝ち上がってきた。
 
 勢いやチーム状態を加味すれば、ほぼ互角ではないか。
 
 そうなると、ポイントは「シリーズ男」が出るかどうか。主力級だけでなく、伏兵クラスも含めて、大活躍をする選手が出たチームがチャンピオンフラッグを手にするのではないか。
 これを探るために、阪神、ソフトバンク両軍選手の対戦記録を見ていこう。

阪神、ソフトバンクの3、4番がハイアベレージ

 まずは打撃成績から。今季の最終成績と過去3年の交流戦での成績を調べてみた。他球団に所属した時の数字も含んでいる。
 
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 阪神は鳥谷敬が4割近い高打率を残している。鳥谷は4~5年前までソフトバンク戦を苦手としていたが、昨年.375、今年.571と打ちまくっている。盗塁も5つ。もともと選球眼も良く、大いに期待できよう。
 
 マートンは通算打率が3割を超えており、ソフトバンク戦でも安定した成績を収めている。
 数字で特に目立つのは大和だ。ちなみに今年のソフトバンク戦の打率は5割だった。
 
 見逃せないのが藤井彰人だ。今年はルーキーの梅野隆太郎、新加入の鶴岡一成の後塵を拝し、三番手捕手に甘んじているが、ソフトバンク戦にめっぽう強い。楽天時代から常に高打率を残している。
 
 福岡での試合では、藤井をDHで7、8番あたりに置くのもありではないだろうか。
 
 ソフトバンクで目立つのは、李大浩だ。オリックス時代から柔らかい打撃で、阪神の投手陣相手にハイアベレージを残している。特にメッセンジャーには5割近い打率だ。今年は勝負弱さが目立っていたが、やはり李が主軸なのは間違いない。
 
 そして内川聖一。横浜時代から阪神戦は大好物で、大活躍してきた。彼もメッセンジャーに強い。
 
 ソフトバンクの伏兵候補も面白いことに捕手だ。今季、日本ハムから移籍した鶴岡慎也が阪神戦に強い。

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