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現役時代から指導者の片りん。DeNAラミレス新監督は「客寄せにあらず」

横浜DeNAベイスターズのアレックス・ラミレス新監督は現役時代、その打棒だけでなくパフォーマンスでファンをわかした。どうしてもそのイメージが先行するが、実は選手時代から非常に緻密で、研究熱心。野球理論にも定評がある。

2015/11/16

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現役時代のパフォーマンスを封印

 低迷中のDeNAに新風を吹き込むか。就任したばかりのアレックス・ラミレス監督が鹿児島県奄美大島で行われている秋季キャンプでチームにメスを入れるべく精力的に動き回っている。各メディアでも報じられているように今回の秋季キャンプにおいて新指揮官は選手たちを「野球漬け」にすることを宣言しており、その言葉通りに連日にわたって猛練習を課している。

 ちなみにチームの秋季キャンプスローガンは「凡事徹底」だ。つまり「当然のことを徹底して行う」ということである。

 FA権を行使せず残留を決めた石川、そして梶谷ら上位打線での盗塁数増加を掲げるなどして個々の意識改革を求め、精神面でも鍛え上げようと選手一人ひとりをつかまえながら熱心にアドバイスを送る新指揮官の姿には、まさにその「凡事徹底」を遂行しようと懸命になっている様子がうかがえる。頼もしさを感じずにはいられない。奄美の地からラミちゃん監督の熱血ぶりがヒシヒシと伝わってくる。

 いや――。もしかしたら、この「ラミちゃん」というお馴染みの可愛らしいニックネームは今後段々と自然に封印されていくことになるかもしれない。「これからはラミちゃん監督、監督ラミちゃんと呼んでください」とメディアにアピールしていたのは他ならぬラミレス監督の弁。それでも、ここまでのラミレス監督の言動を注視していて「〝ちゃん付け〟はなくなっていくのではないか」と強く感じる要素がいくつかある。

 その筆頭と言えるのが現役時代は自身の代名詞とも言われてこだわり続けていたパフォーマンスについてグラウンドでは見せないことを早々と10月21日の就任会見の場で公言した点。中にはがっかりしているファンの方々もいるかもしれないが、個人的には賛成だ。

 確かに就任発表直後はラミレス監督に対して一部から「客寄せではないか」との偏見があったのは事実。
 しかしながら本人が色物として扱われることを嫌い、真摯な気持ちで勝負師として勝利にこだわる姿勢と非常に真面目な独自の野球理論を就任会見で披露したのは、そういう、うがった見方にクギを刺す意味でも十分なインパクトだった。

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