NPB史上制球力NO.1投手は上原。今季、一番良かったのは意外な投手【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は制球力NO.1投手について考えてみた。
2015/12/02
球威も制球力も高いバンデンハーク
BB9とともに重視されるのが、SO/BB。奪三振数を与四球数で割った数字だ。
三振は打球が野手に飛ばない。失策の可能性は振り逃げ以外にはない「もっと安全なアウトの取り方」だとされる。
奪三振が多くて、与四球が少ない投手は「最も安全な投手」とされるのだ。
MLBでは、SO/BBは最も重要な指標の一つとしている。
80回以上投げたセ・パ両リーグの投手のSO/BBのベスト10を見てみよう。
ソフトバンクに今季途中から加入し、9連勝したバンデンハークが1位。剛速球の持ち主だが、制球も抜群によかった。
2位、3位にBB9が1、2位の塩見、マイコラスと続く。
則本、大谷翔平はBB9が2を超えて優秀とは言えなかったが、奪三振の多さでランクインしている。二人はより制球力を磨くことでこの数字をあげることができるはずだ。
SO/BBの上位には、各チームのエース級が並ぶ。この数字の信頼性を表している。
次はワースト10だ。
松葉は80回以上投げた投手では唯一、三振より四球のほうが多い。
この顔ぶれには、牧田和久、スタンリッジのように制球力はそれほど悪くないが、奪三振が少ない投手もいる。しかし成績が芳しくない投手が多いのも事実だ。