NPB史上制球力NO.1投手は上原。今季、一番良かったのは意外な投手【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は制球力NO.1投手について考えてみた。
2015/12/02
歴代では上原がトップ。MLBでプレーする選手の名前も
昨年もNPB史上最も制球力のよい投手は誰か?で紹介したが、現役投手がNo.1だ。NPBで1000回以上投げている投手のBB9、ベスト10。
並み居る大投手を押しのけて、ボストン・レッドソックスの上原浩治が1位。
9回あたり1.2個以下しか四球を出さない。今季のトップ楽天の塩見が1.406なのを見てもそのすごさがわかる。
3位には日本ハムのベテラン、武田勝がいる。
NPBで1000回以上投げている投手のSO/BBを見ると、上原のすごさがさらにわかる。
上原がダントツの1位。他の投手とは別次元だ。間違いなく「日本プロ野球史上最も制球力があった投手」と言える。
この表には日米での現役投手が8人も入っている。現代のNPBの投手は、制球力が向上したうえに、奪三振が増えたためにSO/BBが急上昇している。
上原、田中将大、ダルビッシュもランクインしているが、MLBでNPBの投手が通用するようになったのは、この数値で表される能力が、上がったからだと思われる。
その点で見ても、前田健太はMLBで十分に通用するのではないか。
200勝投手が“絶滅危惧種”になっても、投球の精度という点で見れば、昔とは比較にならないほど進化している。
来季もリーグを代表する投手たちのBB9、SO/BBに注目したい。