【ドラ1の知られざる苦悩】元横浜・古木克明(2)ベイスターズは希望球団にあらず「来るな、来るな…」
2022/10/16
産経新聞社
松坂よりも「球児の方がスゲーんじゃないの」
プロ野球の世界で古木の1980年生まれは特別な意味を持つ。松坂大輔がいる、いわゆる松坂世代である。
松坂が頭角を現したのは、高校2年生の秋からだった。そして3年生となった春の選抜高校野球では150キロを越える速球を投げ込み、横浜高校を優勝に導いている。
豊田大谷高校の古木克明が同じ年の投手として初めて意識したのは、藤川球児だった。
古木、そして高知商業の藤川の二人だけが、2年生の夏の甲子園の後、高校日本代表に選ばれた。
「球児のストレートは140出ているか出ていないか、ぐらいしかなかったんですよ。でも横から見ると、速い。甲子園で優勝したピッチャーとかよりも切れがあって速く感じたんですよ。こいついいピッチャーだなと思っていた。そのときぼくは松坂の投球を実際に見たことがなかったので、球児の方がスゲーんじゃないのって思ってました」