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球界屈指の成績も野球殿堂入りは絶望的。清原和博と江夏豊、2人の奇妙な縁

日本球界屈指の大打者と大投手。2人は奇妙な縁でつながっている。

2016/02/15

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野球殿堂にノミネートすらされず

 200勝以上した投手で殿堂入りしていない投手は、昨年引退した山本昌を除けば、他に平松政次(201勝)だけ。
 平松は今年のエキスパート表彰部門でノミネートされており、数年のうちに殿堂入りすると思われるが、江夏は候補にもノミネートされていない。
 
 理由は明らかにされていないが、江夏は現役時代の1970年の黒い霧事件が発覚した際、野球賭博疑惑のある暴力団との交際でNPBから戒告処分を受け、引退後の1993年3月には、覚せい剤所持で逮捕され懲役2年4カ月の実刑判決を受けて服役している。
 
 この二つのスキャンダルが原因となり、殿堂入り候補にさえ選出されないのではないかと思われる(黒い霧事件では、通算2452安打した大打者土井正博も賭博容疑で書類送検され、1カ月の出場停止処分となった。事実、殿堂入りしていない。土井正博は西武時代の清原の打撃コーチである)
 
 江夏が覚せい剤取締法違反で逮捕されたのは、奇しくも清原和博と同じ引退後8年目の春。年齢は江夏が44歳、清原が48歳。
 ただし江夏は清原の所持量の1000倍強にあたる52gもの覚せい剤を所持していた。そのために初犯だが実刑判決を受けている。
 
 出所後は覚せい剤とは手を切り、解説者として復帰。贖罪は終えているはずだが、殿堂入りはかないそうにない。
 恵まれた才能を持ち、現役時代は圧倒的なプレーでファンを魅了した江夏豊と清原和博だが、引退後のスキャンダルによって野球選手の最高の栄誉と言われる野球殿堂入りの道を断たれてしまった。

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