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森雄大、楽天球団創設以来の2ケタ左腕誕生なるか。闘将やAJも認めた逸材の『進化と課題』

高卒4年目、楽天の森にとって今季は勝負の年だ。

2016/02/25

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球速アップ。ゴロを打たせる投手へ進化の途中

 迎えた高卒4年目の今シーズンは勝負の年だ。
 
 イーグルスの歴代左腕には年間10勝以上を挙げた投手がいない。
 その有力候補は2011年に9勝を挙げ通算26勝の塩見貴洋(27歳)、2014年には8勝をマークして通算でも24勝を挙げている辛島航(25歳)の名前が挙がるが、年下の森が先輩左腕を一気にまくる日も近いかもしれない。
 
 梨田昌孝監督の期待度も高い。初の対外戦になった14日のハンファ戦、オープン戦の開幕となった21日中日戦、節目のゲームでいずれも森に先発を託している。
 
 7日の紅白戦では2回2安打2失点。ストライク率も40%台と低く4四球。制球に苦しみルーキーの茂木に痛烈な二塁打を許すなど不安を残す内容になったが、対外戦に入って徐々に修正されてきた。
 
 3回1安打無失点に抑えた14日ハンファ戦ではストライク率は50%半ばに上昇。四球も2個に抑えて空振り率は二桁越えの12.5%をマーク。
 21日の中日戦では4回4安打1失点の投球内容で四球は僅かに1個。ストライク率も60%を越え、空振り率11.7%を記録している。
 
 課題は制球力だが、荒れ球も持ち味だ。
 
 球自体の球威やキレは間違いなく上がっている。2014年139キロだった速球の平均球速は昨年141キロを計測、先日の21日中日戦ではNPB平均値の142キロ(最速147キロ)を記録した。
 中日の打者から多くの空振りを奪っていたスライダーの切れ味も上々で、昨年も1軍でオリックス・バファローズの糸井嘉男、埼玉西武ライオンズの浅村栄斗、千葉ロッテマリーンズのアルフレド・デスパイネなど強打者から数多くの空振りを奪った。
 
 また以前はフライを打たれるケースが多かったが、昨年からゴロを多く打たせるタイプへと進化の過程にあり、ハンファ戦ではゴロ率100%、中日戦でも50%を記録した。
 
 一定程度の奪三振能力があり、高いゴロ率の打球管理が徹底できるサウスポー。左腕のブレイクがチーム最下位浮上のカギを握る。

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