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「入念な準備」「捕手としての心配り」2年目のロッテ・寺嶋が見せた確かな成長【マリーンズ浦和ファーム通信#14】

2年目をマリーンズの寺嶋寛大は、福澤洋一バッテリコーチの指導の下で着実に捕手として成長し続けている。

2016/03/04

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千葉ロッテマリーンズ



「一を大事にしろよ」

「キャッチャーは24時間、野球の事を考えなくてはいけないポジション。いつも野球の事が頭にないとダメ。試合中も攻撃中に相手捕手のリードを観察し、テレビで一軍の試合を見てリードを研究するぐらいの姿勢がないといけない。グラウンドから離れても、ふとした時にリードのことを考えるような習慣づけをさせたいと思っている。この世界、それに早く気が付いたほうが勝ちだからね。1年目でも早く気が付いたら、その分だけ長く野球ができる。そういう世界」
 
 福澤コーチは事あるごとに、若者にそう伝えてきた。口酸っぱく、言ってきた。華奢だった体にも注文をつけた。トレーニング担当に相談を行い、昨年5月から肉体改造にも着手させた。歩き方や猫背気味だった姿勢も修正。姿勢を良くすることで体が軸を安定させ、打撃も向上してきた。78キロだった体重はこのオフを終えた時には86キロにまで増えた。ようやくプロらしい体になった。
 
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「オフは本当に食べるのが練習のように食べていました。お店に入ると、3人前ぐらい。ラーメンにカツ丼に、さらに定食を頼む。そんな日々でした」と寺嶋も、肉体改造の日々を振り返る。
 
「一を大事にしろよ」。福澤コーチによく言われる言葉だ。プロの世界に2回目はない。最初から成功をさせないといけない。だから事前の準備が大事になる。リードでも試合でも最初が肝心。最初を失敗すると後手に回る。この言葉を聞いた時、寺嶋は「同じだ」と思った。
 
 創価大学野球部時代にバッテリーを組み、尊敬をする2つ上の先輩にスワローズの小川泰弘投手がいる。大学時代、偶然にも同じ言葉をかけられた。「オマエはもっと一を大事にしないといけない」。全くの偶然だが、尊敬をする二人から、同じことを言われた。それは深く胸に残った。だからこそ、準備を入念にし、いざゲームが始まった時に一を大事にできるように心がけている。

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