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前人未到“夢の打率4割”達成する現役選手はいるか?【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、NPBで4割打者に最も近い選手についてだ。

2016/03/07

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ここ3年の通算打率3割越えは11人

 さて、この前提条件を踏まえて、現役選手を見ていきたい。過去3年間で1000打席以上に立ち、打率.290以上をマークした選手。
 
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 トップは、打率.329となった柳田悠岐だ。左打者で今年28歳になる。ISODは.100と非常に高い。しかもトリプル3を達成しただけあって、足も抜群だ。安打を広角に打ち分ける柔軟さもある。
 4割に挑戦する現役選手の筆頭は、柳田だろう。
 
 続く川端と銀次はともに左打者。年齢的には適齢だが、足があまり早くない。またISODもそれほど高くない。
 山田哲人も球界を代表する選手の1人だ。四球数も多く、中軸を担うが右打者、年齢という点から先にあげた条件から外れてしまう。
 
 なお、この表には過去に首位打者を獲得した長谷川勇也をはじめ、李大浩をのぞきソフトバンクの選手が4人もランクインした。強打者が揃えば、一人の選手だけに重圧がかかりにくい状況になり、特に柳田にとってもプラスに働くだろう。同様に4人載っているヤクルトの川端や山田もその点は有利だ。
 
 秋山翔吾は昨年、.359の高打率をマークしたが、3割超えはキャリア初だった。俊足巧打であり、左打者の秋山も四球が増えていけば、限りなく4割に近い数字を残す可能性を秘めている。
 
 柳田悠岐は、今年のキャンプでNPBの通算最多安打記録を保持する張本勲氏から「トリプル4(4割40本40盗塁)を目指せ」と言われた。
 昨年は秋山と柳田の首位打者のデッドヒート、柳田と山田のトリプル3など記録面でも多いに盛り上がった。今年も、そういった数字や記録面で野球ファンに夢を与えてもらいたものだ。

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