【データで選出5月月間MVP】阪神躍進の立役者・近本が総合力で圧倒。パ野手トップは日本ハムの新星・万波中正
2023/06/07
産経新聞社、DELTA
走守で他選手を引き離した近本。三塁で好守連発巨人・門脇は守備貢献12球団トップ
守備評価には同じイニングを守った平均的な同ポジション選手と比較してどれだけ失点を防いだかを表すUZR(Ultimate Zone Rating)を使用する。しかしUZRは同ポジションの選手との守備を比較する指標であるため、異なるポジションの選手を比較する際はポジション間の補正を行う必要がある。一般的に高い守備力、もしくは独自性のあるスキルを要するポジション(遊撃手や二塁手、捕手など)を守った選手はプラスに補正をかけ、その逆のポジション(一塁手や左翼手など)はマイナスの補正をかけるといった具合だ。この守備位置補正をUZRに加えたものが守備貢献となる。
12球団トップのWARを記録した近本が差をつくったのが、守備・走塁だ。打撃貢献でも7.4点とリーグ上位クラスの成績を残した近本だが、走塁で2.0点、守備で5.4点と、走攻守それぞれで大きな貢献を積み重ねた。盗塁は6度企図してすべて成功。走守あわせての貢献7.3点は12球団トップだ。
ただ守備だけを取り出すと近本を上回る選手がいた。守備貢献で12球団トップとなったのはルーキーの門脇誠(巨人)。5月は三塁に定着すると、13日の広島戦で三遊間、三塁線と左右への強い打球を次々と処理するファインプレーを連発。打撃が振るわなかったためランキングには入っていないが、12球団トップの守備貢献6.1点を記録している。打率.190と、普通に考えると月間MVP候補に挙がるはずもないが、データ視点ではこうした選手の貢献が浮かび上がる。