【データで選出5月月間MVP】阪神躍進の立役者・近本が総合力で圧倒。パ野手トップは日本ハムの新星・万波中正
2023/06/07
産経新聞社、DELTA
阪神投手陣がセ・リーグを席巻。パ投手トップに佐々木、山本以外は2021年以来
投手のWARは投球の質と量両面でどれだけ貢献したかから求める。質は「奪三振」、「与四死球」、「被本塁打」、量は「投球回」によって決まり、そこから平均的な投手と比較しどれだけ多くの失点を防いだかを算出。それが何勝分に値するのか換算したものが投手のWARとなる。
投手部門でパ・リーグは宮城大弥(オリックス)、セ・リーグでは大竹耕太郎(阪神)がそれぞれ1.35、1.11とトップのWARを記録した。
宮城、大竹はともに四球の少なさで他投手との差をつくった。リーグ平均が8%ほどになる与四球割合(与四球/打者)で、宮城、大竹はそれぞれ2.6%、2.0%を記録。圧倒的な奪三振能力を見せたわけではないが、無駄な走者を出さないことで失点を防いだ。
5月は大竹だけでなく、阪神勢の活躍が目立った月だった。WAR3位の村上頌樹が1.07、4位伊藤将司が0.99と、トップと僅差で上位につけている。彼らも大竹同様、与四球の少なさで差をつくったようだ。結果、5月終了時点における阪神の与四球は12球団最少の99。同じ消化試合数の西武が183であることを考えると、その少なさがわかるだろう。
また5月は一時離脱があったため、ランキングに佐々木朗希(ロッテ)、山本由伸(オリックス)の名前がない。ここしばらく本企画におけるパ・リーグ投手トップは彼ら2投手が独占しており、それ以外の投手がトップとなるのは2021年の10・11月以来。離脱したことで、彼らの存在の大きさをあらためて感じさせられることとなった。
DELTA(@Deltagraphs)http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~5』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。
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