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中日「悪くない滑り出し」。驚異的なビシエドの打撃の柔軟性と対応力【小田幸平の眼】

オープン戦では同率最下位、評論家の予想も軒並み低かった2016年の中日ドラゴンズ。阪神タイガースとの開幕3連戦は1勝2敗に終わり、31日試合前時点で2勝3敗。ドラゴンズOBで評論家の小田幸平氏は「悪くない滑り出し」と語る。

2016/03/31

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ドラゴンズは機動力をもっと使うべし

――では、投手陣のほうはいかがでしょうか?
 
小田 よくないですね。初戦は先発の大野雄大が踏ん張り、又吉、福谷とつないで勝ったけど、2戦目の山井大介、3戦目のネイラーがともに崩れてしまいました。
 
――いずれも打ち込まれて敗戦。やっぱり先発は大切ですね……。

小田 山井はオープン戦から良くありませんでしたが、ネイラーが崩れたのは意外でした。普段、四球から崩れることがほとんどないのですが、今回は3四球、1死球。ストライクとボールがはっきりしていました。
 
――気になるのは山井投手です。谷繁元信監督は「まだ1試合やられただけ」とコメントを出しており、今後もローテの軸として起用していくようですが。
 
小田 監督の見方があるので何とも言えませんが、「1試合やられただけ」ではなく、オープン戦から続けてやられていますからね。ただ、山井は投手陣の主力として担っていかなければならない投手なので、期待を込めて監督は言っているのだと思います。
 
――ほかに、この3連戦で小田さんが気になったポイントはありますか?

小田 ドラゴンズはもっと機動力を使ったほうがいいんじゃないかな。大島、藤井、遠藤をはじめ、走れる選手がたくさん出ているんだから、もうちょっとかき回したほうがいい。
 
――阪神が機動力をかなり使ってきた分、余計そう思います。
 
小田 阪神は1・2番の高山と横田がかき回していたからね。鳥谷も走ったし、メッセンジャーまで走った。どこから走ってくるのかわからない感じは、投げる側にとってプレッシャーになるんです。逆に、もっとかき回していけば、ランナーを気にしながらビシエドを迎えなければいけなくなる。そうなれば、また得点力も上がっていくと思います。
 
――得点力といえば、3戦目は4点のビハインドを追いつきました。去年までなら4点差がついた時点で「テレビ消そうかな……」と思っていましたが、今年は「ひょっとして……」と思えるようになってきました。

小田 ええ、悪くない滑り出しだったと思いますよ。
 
――オープン戦は最下位で、評論家の方たちの順位予想も軒並み最下位か5位でしたが、3戦終わってみて「あれ? 意外とイケるんじゃない?」と思ったファンの方も多い気がします。

小田 見ていても楽しいですよ。ここに、吉見とか岩瀬さんのようなメンバーが上がってきたら、また活気が出てくると思います。ビシエドはまだイケるでしょうし、2敗とは感じませんね。前向きな1勝2敗だったと思います!
 
 
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小田幸平(おだ・こうへい)
1977年3月15日、兵庫県高砂市出身。ニックネームはODA(オーディーエー)。市川高校、三菱重工神戸を経て、97年ドラフト4位で巨人に入団。06年に野口茂樹の人的補償として中日に移籍。谷繁元信現監督の控え捕手として、チームのリーグ優勝3回、日本一1回に貢献。現役引退後は野球解説者はじめトークショーや講演、野球教室、イベントなど精力的に活動している。

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