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【4月26日~28日セ・パ第10節展望】エース岸が離脱した西武。野上、菊池の両輪がカギを握る――広島の新井は2000本安打まであと「1」

2016年4月26日~28日までの第10節、勝負のポイントはどこにあるか。

2016/04/26

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<セ・リーグ>
第10節 ヤクルト―広島 神宮

 ともに高打率を誇るチームの対戦。前回は広島打線が打ち勝ったが、今回の対戦はどう出るだろうか。ヤクルトは初戦の先発に成瀬を立てる。前回対戦では4回まで無安打に抑えながら、5回に満塁弾を浴びて撃沈した。今回は粘り強く投げたい。2戦目の先発は山中。前回登板の阪神戦では出身地である被災地の復興に想いを寄せて好投。笑顔一つ見せないヒーローインタビューはたくさんの人の心を打った。打線は前節に左足内転筋を痛めたバレンティンの状態が心配だ。山田、川端は絶好調だが、マークする打者が集中してしまうのは避けたい。中継ぎ陣が徐々に元気を取り戻しているが、打線の援護は不可欠だ。

 

 広島は初戦先発のジョンソンがいかにヤクルト打線を抑えられるか。前回対戦では完投を目前にして9回で降板したが、3失点と好投している。2戦目の予定は野村か。前週のDeNA戦では6回4失点で降板。今度はQSを達成したい。打線は、1番・田中、2番・菊池が好調なのがいい。特に、田中は開幕から率が上がってこなかったが、ここへきて3割に近づいている。2000本安打にリーチが掛かった新井はこの3連戦で大記録を達成したいところだ。記録達成後は、特別コラム配信の予定だ。

 

第10節 DeNA-中日 横浜スタジアム

 DeNAは今季初の3連勝はならなかったものの、前週1週間を五分で乗り切った。初戦の先発は今季1勝の石田がたつ。防御率4.44と高めだが、これはラミレス監督の彼に対する期待でなるべく引っ張る傾向にあるからだろう。指揮官の期待に応えたい。夫人が出産のためにモスコーソが離脱、第2戦目の久保、3戦目予想の砂田に期待が掛かる。低調な打線はなかなか上がってこない。途中出場ながら活躍の光る乙坂を指揮官はスタメン起用したのは1度きりだが、もう少し長めに見てはどうか。苦しい戦いは続くが、ファームでは梶谷の復帰が間近という朗報も聞こえてくる。もうしばらくの辛抱だ。

 

 中日は24日の試合で、主砲のビシエドが逆転満塁本塁打を放ち勢いに乗る。初戦のジョーダンは前回登板で初勝利を挙げた後に、一度、抹消されたが、まだ防御率0点台だけに期待は高い。2、3戦目は山井、小熊と続く。先発陣が不足している現状、調子の良し悪しがはっきりしている二人には安定を求めたい。打線は前節から復帰した平田の存在が大きい。彼のバットに期待も懸けるという側面もあるが、打線に彼がいることでの怖さはやはりプラスだ。

 

第10節 阪神―巨人 甲子園

 今季初めて本拠地で伝統の一戦を迎える。阪神の初戦先発は藤浪晋太郎だが、巨人との前回対戦で好投しているとはいえ、調子にやや陰りが見えている。ここで踏ん張りたいところだろう。後ろに岩田、メッセンジャーが控え、巨人に立ち向かう。24日の試合で能見が完投したことも大きく、中継ぎ陣は万全の態勢でこの3連戦を戦うことになる。打線は1番・高山が好調をキープしている。前節で西岡が離脱したが、新井良太が昇格し、打線に活力を与える存在となりそうだ。週替わりでイキのいい選手が出てくる好循環を生かしたい。先週は大和だったが、今週はいかに。
 巨人は高木勇が初戦の先発に立つ。昨季の阪神戦は3戦2勝、防御率1点台と相性がいい。好投すれば、リズムがいい投手だけに、援護点も見込める。2戦目は順番では田口となるが、3戦目は前回のDeNA戦で指にまめができて降板した菅野が間に合うとのこと。5試合中4試合で無失点。前回は7回で降板したとはいえ、3試合無失点中だけに、頼もしい存在だ。打線の方は前節に坂本がスタメン復帰。まだ本調子とは言えないが、打線に厚みを加えている。とはいえ23日の試合では完封負けするなど、チーム全体には調子の波を感じる。1番に立岡を起用する打線で打開したいところだ。

<パ・リーグ>
第10節 西武―ロッテ 西武プリンスドーム 2連戦

 前節、右腕エースの岸が負傷離脱した西武は投手陣が苦しい台所事情に陥っている。初戦の野上、2戦目の菊池には大きな期待が掛かる。野上は2勝、菊池はまだ1勝しかしていないが、ここで意地を見せられるか。打線は24日の試合でメヒアが1試合3本塁打7打点と一人で活躍したが、打線自体はややつながりを欠いている。野手陣の能力はかなり高いだけに打開策を見い出したい。中村の復帰が近いとみるが、やはり彼がいるのといないのとでは、後ろの坂田に掛かる負担が変わる。投打ともに苦しい事情ではあるが、裏を返せば若手にはチャンスだ。特に前節、バッティング面でややつかみかけたものがある金子は一皮むけられるか。

 

 前節1勝1敗で臨むロッテ、状態はさほど悪くない。初戦先発の石川は今季初の西武戦での登板になる。昨季は3戦3勝で防御率は1点台と得意としているだけに、相性を武器に思い切って腕を振りたい。石川が序盤をうまく流れに乗るかどうかで大きく変わるだろう。2戦目は二木か。西武戦は初めてとなるが、ネームバリューのある打線を前に、どこまで通用するか。前節でナバーロがようやくデビューし、打線に厚みを加えている。打線の1、2番をうまく機能させれば怖い打線になる。岡田、中村、荻野、細谷ら選択肢は多いが、どうチョイスするか。中継ぎ陣も伊東監督の起用法にきめ細やかさがあり、どんな試合展開でも適応できる。

 

第10節 オリックス―ソフトバンク 京セラドーム 2連戦
 オリックスは前週を五分で切り抜け、状態をキープして首位・ソフトバンクにぶつかる。初戦の先発ディクソンは、昨季、ソフトバンクと相性が良かった。今季はソフトバンクとの対戦はないが、安定したピッチングを見せている。2戦目・東明で挑むことになるだろう。打線はルーキーの吉田尚と岩崎恭が故障のために離脱したが、1番の駿太に元気が出てきた。本来持っている形で勝負したい。糸井の状態がよく、率は良くないものの小谷野も勝負強い。途中出場が多いながら8割をマークしている原の起用法も注目したい。

 

 ソフトバンクは初戦のバンデンハーク、2戦目の和田と好調な投手陣がいる。バンデンハークはいまだ日本で負けたことがなく12連勝中と安定感は抜群だ。しかも、京セラではいまだ1点も取られていない。前回登板で完封した和田とで2連勝を挙げたい。打線は試合を重ねるごとに安定感を増している。どこからでもヒットとヒーローが出るくらいの始末でどこを抑えれば分断できるのだろうか。前節の日本ハム戦では序盤からリードを奪われながら、終盤に追いつき、相手のクローザーを粉砕した。オリックスのクローザーの平野は今季、前年とは異なる切れのフォークを投げているが、打ち崩せるのかも見てみたい。

 

第10節 日本ハム―楽天 札幌ドーム 2連戦
 24日の試合でサヨナラ負けを喫した日本ハムだが、調子は悪くない。そんなチームに頼もしい男が復帰する。開幕から2戦2勝と好調だった有原だ。打点の高い所から投げ下ろすストレートとスライダーを前面に出したパワーピッチは出だしの良くなかった日本ハムにとって大きな存在だった。エースの大谷の指の状態が思わしくないだけに、彼の復帰は心強い。2戦目は吉川が予想され、先週、岸に投げ勝った自信で臨みたい。打線は陽が満身創痍ながらスタメン復帰し、中田が好調とチームの顔が機能している。1番に中島が入ってゲームを作りつつ、9番に西川がいるのも打線に厚みを与えている要因だ。

 

 楽天は投手陣がやや荒れ気味だが、打線が粘り強くくらいついてきている。今江といった開幕スタメンを欠きながらも、打線はいい。岡島の復帰もプラス材料だ。突出した成績を残している選手はいないのだが、それぞれが補い合っており、4番・ウイーラー、5番・松井稼、後藤らが勝負強い。投手陣は初戦が塩見、美馬と続く。日本ハム打線は上位3人が左とあって、それもインコースを得意としているのは近藤だけだ。いかに踏み込ませない投球ができるかがカギだろう。両チームとも調子がいいが、楽天は投手陣がどこまで踏ん張り切れるか。楽天はできれば接戦に持ち込みたい。