【4月29日~5月1日セ・パ第11節展望】「楽天・則本」VS「オリックス・松葉」、2012年大学選手権の再来
2016年4月29日~5月1日までの第11節、勝負のポイントはどこにあるか。
2016/04/29
<パ・リーグ>
ソフトバンク―西武 ヤフオクドーム
この10試合で1敗と手が付けられなくなったソフトバンクは連敗中の西武と対戦する。両者の今の状態からすれば、ソフトバンクのスイープも十分にありえる。初戦先発は今季初登板となる中田がマウンドに立つ。昨季は9勝を挙げた右腕がここでも好投を見せれば、投手陣はさらに厚みを増す。2戦目予定の千賀は4戦2勝負けなしと好調を維持。試合後半になっても、150キロを計測するタフさも加わって、毎回の登板が楽しみになる投手だ。打線は、27日の試合で150本塁打を放った内川など状態はいい。7番を打つ長谷川にも安定感が出てきており、切れ目がない。
西武はチーム事情が苦しい。先発は岸が離脱し、外国人のバンヘッケンは不調で再調整となった。この3連戦はいまだ未勝利の十亀と2年目の高橋光が初先発の予定だ。3戦目は郭俊隣か4年目の佐藤勇。王者・ソフトバンクにどこまで渡り合えるか。打線は浅村のバットに当たりが出てきたが、打順を変えすぎるあまり、つながりが悪い。主砲・中村の復帰が待たれる。
オリックス―楽天 京セラドーム
ともに連敗中の両チームは、是が非でも、早く抜け出したいはずだ。初戦の両先発は松葉対則本。これは、実は因縁の対決だ。大学4年の大学選手権1回戦で二人は対戦。延長10回に及ぶ投手戦を演じている。松葉のいた大体大が勝ったのだが、則本はこの試合で20奪三振をマーク。当時全国では無名だった則本にとって「人生を変えた試合」だった。両者の現在立ち位置はかけ離れているが、興味深い対決だ。
2戦目以降はオリックスが金子と西、楽天が安楽と釜田で挑む。実績ではオリックスの2投手に軍配が上がるが、楽天の若い投手には思い切って向かってもらいたい。打線は、オリックスは故障と不調で調整していた中島とT‐岡田が復帰予定。糸井とうまくからませたい。楽天は岡島の出塁を生かしたいところだ。ともに、この3連戦をどう戦うかは重要だ。
ロッテ―日本ハム QVCマリン
開幕カードが舞台を同じにして、再び激突する。ロッテの初戦先発は4連勝中の涌井だ。開幕ゲームで大谷に投げ勝って勢いを持続している。ロッテは1番打者探しに苦労の色が見えるが、2番・中村が機能していた。この2試合、1番に起用されていた荻野が故障で離脱した。中村の1番・復帰も考えられる。清田・デスパイネ・ナバーロの主軸も力強く、後を打つ角中、鈴木と打線に切れ目がない。走塁を生かす得点力も高く、ソフトバンクを凌駕する力がある。
日本ハムの初戦の先発・メンドーサは前回、札幌でのロッテ戦で初勝利を挙げている。前回登板も勝利はつかなかったが、ゲームを作っており、安定感は増してきている。調子が上がってくれば怖い存在だ。前回登板で初勝利のバースや大谷も控え、必勝態勢で臨む。打線は4番・中田が好調で、27日の試合ではサヨナラ打を打った。1番・中島の出塁率もよく、小技から大技のどちらも出てくる強みがある。