【5月3日~5日セ・パ第12節展望】広島と日本ハムは、無敗投手・菅野&バンデンハークに土をつけられるか
2016年5月3日~5月5日までの第12節、勝負のポイントはどこにあるか。
2016/05/03
<セ・リーグ>
DeNA-ヤクルト 横浜スタジアム
苦しい戦いが続くDeNAは3連勝と勢いに乗るヤクルトを迎える。初戦の先発は夫人の出産のために登録を外れていたモスコーソが復帰する。戦列を離れるまで3戦2勝1敗。防御率は2.61と安定している。マウンド上の気迫でチームに勝利を呼び込む。2、3戦目は先週に引き続き石田、砂田の登板が濃厚だ。打線は筒香の離脱で軸を欠くが、その分、チーム全体に繋ぎの意識が高まってきた。前節はケガで出遅れていた関根が昇格し、今節は梶谷の復帰もあり得る。1日の試合で5点リードをひっくり返されたチームのショックは計り知れないが、こういうときこそ、同じ形でリベンジしたい。
ヤクルトは前節、首位・巨人を3タテ、打線が好調で勢いに乗る。初戦の先発の山中は前回登板で5回8失点と炎上した。同じ失敗はしたくない。成瀬が抹消中だが前節、今季初登板で初勝利を挙げた新垣などチャンスを生かしたい。打線は山田が絶好調で手が付けられない。スタメンの選手に加えて、前節では代打の切り札として出場する田中や飯原らベテラン選手が活躍するなど、ベンチとの一体感が出てきているのも強みだ。DeNAを叩いて、一気に上位戦線に食い込みたい。
中日―阪神 ナゴヤドーム
前節、よもやの3連敗を喫した中日のキーポイントは先発投手だ。初戦の先発にはジョーダンが立つ。前回登板では5回3失点で降板したものの、防御率はまだ1点台をキープしている。2戦目には吉見が登板予定だ。2試合の防御率は1.42と内容はよく、初勝利を狙う。先発陣が不安定なだけに、吉見に掛かる期待は大きい。打線は、高橋周が前節に骨折が判明した。彼の離脱は正直、大きな痛手になるだろう。とはいえ、最近5試合で5割の打率を残すなど、平田の存在は絶大だ。ビシエド、平田のコンビで多くの得点を奪いたい。
阪神は1日の試合で5点差のゲームをひっくり返して勢いに乗る。初戦先発・藤浪はこの2戦、結果を残せていない。今度こそ、粘りのあるピッチングを見せてもらいたい。1試合の中で崩れるところがあってもいいが、最少失点で乗り越えられるような精神性を身につけたい。藤浪は甲子園で優勝するまで1イニングで崩れる傾向のある投手だったが、この試練を乗り越えなければならない。2戦目の先発には、不調の岩田に代わり、横山が抜擢される可能性がある。昨季にデビューするなど経験は重ねている。打線は金本監督のやりくりが功を奏している。抜擢された選手が日替わりヒーローで活躍し、その空気が今の阪神を支えている。得点圏打率がチームトップの.370をマークするゴメスの前に走者をためたい。
巨人―広島 東京ドーム
3連敗で首位を明け渡した巨人は、首位・広島とぶつかる。投手陣に厚みが足りない中、初戦の先発は前回登板で、プロ初完投勝利を挙げた田口が立つ。若いなりの勢いがあるが、今の広島打線を止められるか。2戦目は江柄子の先発が濃厚だ。3戦目濃厚のエース・菅野とともに、広島打線とどう対峙するかは注目だ。打線は比較的好調だ。クルーズは離脱したものの、長野・坂本の調子が良く、彼らを軸に攻撃を作りたい。1番・立岡の調子がやや気がかりだ。2番の片岡と足で攻撃を組み立てられるか。
3連勝と勢いに乗る広島は打線の調子がいい。1日の試合では国産打線を組みながら、勝負所でエルドレッドを起用し、見事に結果で応えた。今節で巨人は菅野の登板が濃厚だが、今の打線なら、菅野に今季初黒星をつけられるかもしれない。高校・大学の同級生、田中広輔のバットにも注目だ。初戦の先発はジョンソンがマウンドに立つ。ジョンソンは昨季の巨人戦防御率が0.00と打たれていない。今季は巨人戦初登板で、苦手意識をさらに植え付けたいところだ。2戦目予定の野村は前回登板でプロ初完封勝利を挙げた。自信を確信に変える意味でも、今回登板もしっかり仕事を果たしたい。好調・広島は目下のライバルを叩いて、その差を広げたい。