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【5月6日~8日セ・パ第13節展望】先発陣の苦しい巨人・中日に救世主は? ソフトバンクの勢いは止まるか

2016年5月6日~5月8日までの第13節、勝負のポイントはどこにあるか。

2016/05/06

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<パ・リーグ>

ソフトバンク―楽天 ヤフオクドーム

 

 ソフトバンクは、前節で昨季リーグ2位の日本ハムを振り切り、無類の強さを発揮した。今節も突き放しに掛かるのか。初戦の先発は中田賢一。前回の今季初登板では4回で炎上した。後を継いだ東浜が好投し、さらに、東浜は5日の登板でも勝利を挙げた。中田にとっては、ローテーションの座を守る意味でも負けられない。千賀、武田と控え、盤石の投手陣で楽天打線に対峙する。打線は前週に続いて内川と長谷川が好調をキープしている。唯一、開幕から当たりのなかった今宮はついにスタメンを外れた。高田が起用されているが、こちらも内なる戦いが始まっており、レギュラー奪還に向けた争いが繰り広げられている。

 楽天は12球団で唯一、開幕投手の則本が同じ登板間隔での先発を保っている。これはエースに存分に働いてもらいたい姿勢で、その起用法は評価したい。その則本は3連勝ののち、少し調子が落ち着いたものの、前回登板で勝利を挙げた。相手打線をねじ伏せるときもあれば、粘り強く投げ切るゲームでも勝利をものにしていく。2戦目の先発はレイが立つ。本来は安楽が立つはずだが、前回登板で指のマメをつぶして再調整に入っている。外国人のアマダーの復帰が近く、外人枠を考えると、レイはここで結果が欲しい。打線は、前節の3試合で15得点と当たっている。ケガから復帰した岡島が流れを作り、ウィーラー、今江ら打線の軸ができているのが大きい。前節、クローザーの松井裕が6失点して負け投手になった。チームとして、松井裕を救う意味で良い形を作りたい。

 

ロッテ―オリックス QVCマリンフィールド

 

 4連勝ののち3連敗を喫しながら5日の試合で大逆転勝ちしたロッテは勢いがついた。初戦は今季初先発となる唐川がマウンドに上がる。ここ数年、伸び悩みの象徴とされてきたが、しっかりと下で作り直してきた。大嶺祐の不調と6枚目の先発が不在の現状とあって、唐川には大きなチャンスだ。打線は5日の試合で9回に8点を奪う猛攻を仕掛けるなど、火が付いたら止められない。この2戦で11度打席に立ち、凡打は一度しかない中村は乗りに乗っている。もともと高校時代から気持ちに波があり、調子が乗った時の勢いは凄まじいものがあったが、今の中村を使わない手はない。4番・デスパイネの調子が安定しており、軸が機能しているのも強みだ。出塁率がリーグトップに躍り出た鈴木が下位に構えるなど、どこからでも攻撃を仕掛けられる。救援陣にやや疲れが見えてきたが、打線の援護で勝利をもぎ取っていきたい。

 オリックスは、4月30日の試合でエースの金子が完封勝利を挙げて以来、チームに一体感が出てきた。初戦は中5日で、その金子が先発する。2節連続の勝ち越しの勢いを確実なものにしたい。2戦目には松葉が先発し、3戦目は調子が上がってきた西が先発する。打線は、不調から抜け出したT-岡田が厚みを加えている。前節は1本塁打7打点と存在感を示している。1番の西野、3番の糸井が機能しており、怖い打線になりつつある。指揮官が調子の見極めさえできれば、そう連敗することはないはずだ。投手陣の顔ぶれではややオリックスに分があるが、勢いのあるロッテ打線を抑えられるかがキーになる。

 

西武―日本ハム 西武プリンスドーム

 

 7節連続勝ち越しがない西武は最下位タイに甘んじている。リーグトップの打率をマークしているが、やはり投手陣の不安定さが課題だ。初戦の先発には高橋光が立つ。2年目の右腕は前回の登板が今季初先発。5回4失点(自責は2)で降板し、結果を残すことはできなかったが、まだ若い投手だ。長い目で見る必要があるだろう。2戦目は郭、3戦目は中4日で野上をもってくるとの情報もある。岸を中4日で先発させて故障したばかりだが、台所事情は苦しい。打線は、出塁率のいい秋山と栗山、ホームランキングのトップに立つメヒアなど好調を維持している。しかし決して、得点力があるとはいえず、足を絡めた攻撃も視野に入れたい。特に今節は昨季、3勝10敗とかなり分が悪い、メンドーサと大谷が登板予定。ただ打つだけでは勝機は見いだせない。橋上コーチがどのような策を練ってくるのだろうか。

 日本ハムは前節のソフトバンク戦で互角に渡り合いながら、1勝もできなかった。クローザーの増井が不調に陥るなど、ブルペン陣がやや手薄になってきている。そうであるからこそ、先発陣には奮起が求められる。先発予定のメンドーサ、バースの両外国人と大谷はそれぞれ今季1勝ずつしか挙げていないが、長いイニングを投げた上での勝利という高いハードルが用意されている。打線は守備でも復帰を果たした陽が1番となってチームを引っ張る。大谷を打で起用できない戦力ダウンは否めないが、近藤、レアードの調子が上がっており、打線について問題ないといえる。投手陣が奮闘する形で、前節のショックから立ち直りたい。前節の戦績が良くなかった両チームだけに、今節は踏ん張りどころだ。

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