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試合に勝って、企画ユニ対決で惨敗した日本ハム。ファン心理をくすぐる限定ユニ全プレ【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#29】

今や企画ユニフォームの来場者全員プレゼントは、営業施策の一環として定着している。

2016/05/16

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試合に見に行けなくてもチケット購入

 その後、営業施策として全プレはすっかり定着する。
 
 実際に手にするとペラペラで、いかにも原価の安そうなユニだが、これがファンのコレクター心理をくすぐる。僕は今シーズン版の「赤い千葉ユニ」がほしいばっかりに、仕事が休めないのを承知の上であえて全プレ当日のチケットを買ったロッテファンを知っている。当日は奥さんにスタジアムへ行ってもらい、ユニだけ受け取った。そんなケースは各球団、ザラなのだ。ということはつまり、球団営業サイドからすると「試合を見に来れないファンにもチケットを購入してもらえる」、ビジネスの転回点を意味する。コロンブスの卵だな。
 
 今回、東京ドームのスタンドを観察して興味深かったのは、実は北海道新幹線ユニにも階層性があるということだった。僕がゲットした全プレ用のペラペラバージョンがたぶん最下層に位置する。その上に「ファイターズ×GLAY」コラボ企画(ユニホーム付チケット)バージョンが位置し、これは背中の「GLAY 2016」のネームで区別される。で、更にその上が存在した。ミズノ製の本格レプリカユニを着ている層がいるのだ。これは作りもしっかりしていて、背番号やネームが自由に入れられる。見た目は同じ「常盤グリーン」基調でも値段が違う。
 
 が、この2連戦の対戦相手はオリックス・バファローズだった。幸い連勝させてもらって、またかさんでしまってた借金を完済できた。その点では本当によかった。
 
 が、もう一度言うが連戦の相手はオリックスだった。そしてオリックスこそ今、この時代の「企画ものユニ」の頂点を極める絶対者だ。昨シーズンの「地球ユニ」(猛烈に欲しくなって調べたら結構高かった)は見事だった。今年はその上を行く「宇宙ユニ」を準備していると聞く。僕がペラペラの新幹線ユニでヤニ下がっていたこの連戦も、3塁側には「オリ姫デー」「オリ達デー」のチェック柄ユニ着たファンが散見された。近くで見ると一段、格が違う。ファイターズは野球で勝ったが、「企画ものユニ」では惨敗したのだと思う。あの自由度と比べたらうちの考えることなんて凡庸だ。
 
中島卓也「ファウルを狙って打つ」技術に息づく日本ハムの伝統【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#30】
 

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