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補強か?生え抜きの起用か?〝ポスト鳥谷〟探しに苦心する阪神

鳥谷敬がメジャー挑戦を表明した。この10年、阪神の不動の遊撃手としてチームを支えた選手が来季はいない可能性が高い。現在、タイガースは〝ポスト鳥谷〟探しを急ピッチで進めている。

2014/11/23

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来季、タイガースのショートは誰が守るのか?

 阪神タイガースの鳥谷敬が海外FA権を行使し、メジャー挑戦を表明した。敏腕代理人として知られているスコット・ボラス氏と契約するなど、かねてからの夢であったメジャーでのプレーに向けて着々と準備を進めている。

 その一方で鳥谷の移籍が現実味を帯び、阪神が〝ポスト鳥谷〟探しに苦心しているのも事実だ。
 FA宣言後、鳥谷の後釜として名前が挙がったのは、今シーズン、センターのポジションでゴールデングラブ賞を獲得した大和、アメリカから日本復帰が噂されている中島裕之……。

 すんなりと候補者が出てこないところに、阪神の厳しい現状が見え隠れする。

 2003年のドラフトで自由枠により阪神に入団した鳥谷は、1年目から開幕スタメンを果たし、2年目から今年まで10シーズン連続全試合出場を果たすなど、唯一無二の存在としてチームを牽引してきた。「鳥谷がいる限り、ショートは安泰」――そんな空気がチーム内にあっても不思議ではない。

 とはいえ、鳥谷のFA宣言を何人の人間が予想していたのだろうか。もし、「残留してくれるだろう」「移籍してから考えればいい」と思っているのなら、ただの怠慢にすぎない。
 まだ残留の可能性も残されているが、チームの大黒柱である選手だからこそ、万全の準備を進めるべきではなかっただろうか。

 今回の鳥谷の一件から、思い出したことがある。

 それは2010年に現役を引退した矢野燿大の後継者がいまだに見つかっていないことだ。
 狩野恵輔、清水誉、小宮山慎二……後継者候補には何人も名前が挙がったが、誰ひとりとして正捕手に座ることはなかった。

 そればかりか、他球団からベテランの捕手を次々と獲得。いつしか、空いたポジションは外国人かFAやトレードで獲得した選手で埋められるようになった。今季はルーキーの梅野隆太郎を起用(92試合)したが、正捕手として育てていくのか、注目である。

 阪神は、ここ10年の成績を見ると、Aクラス7回(リーグ優勝1回)と決して悪くはない。そうした事実が、育成によるチーム作りに目をそむけてきたのかもしれない。

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