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原巨人を支えた主力陣の衰え、求められる投手陣の世代交代【死亡遊戯コラム】

原巨人を支えた選手がいつまでもチームの中心では未来はない。新しい巨人を支える選手の台頭、それが今年の大きなテーマでもある。

2016/05/27

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次なる柱の構築を目指して

あの栄光の2012年から、早4年。
高橋由伸は引退即監督となり、当時の主力選手たちもそれぞれ歳を取った。
37歳の阿部は右肩の故障で開幕から2軍生活、昨年9月に右肘クリーニング手術を受けた西村も同じくジャイアンツ球場で調整中。
34歳の内海は今季2試合に先発し0勝2敗で防御率5.91、32歳の山口は今季21試合で防御率4.91と全盛期の姿からは程遠い。
功労者でもあるV3戦士たちの急激な衰え。
現在、由伸巨人は5連敗中で貯金がなくなり22勝22敗3分けの勝率5割。
キャプテン坂本勇人やエース菅野智之の頑張りでなんとかAクラスに踏みとどまっているシーズン序盤だ。
だが、開幕から2か月が経過し、最近は貧打をカバーしてきた投手陣にも疲れが見え始めている。

菅野智之 4勝0敗 0.61(74回)
田口麗斗 2勝3敗 2.67(57.1回)
今村信貴 2勝1敗 3.52(46回)
高木勇人 3勝4敗 4.42(53回)
内海哲也 0勝2敗 5.91(10.2回)
大竹寛  0勝1敗 4.50(6回)

絶対的エース菅野が先発した9試合はチームも7勝2分けと無敗。
対照的に他の投手の先発試合では15勝22敗1分けと大きく負け越し。
昨季ふたりで21勝をマークしたマイコラスとポレダの助っ人コンビは、いまだ故障から復帰の目処は立っていない。
股関節手術後リハビリ中のベテラン杉内俊哉もまだ時間が掛かるだろう。
菅野以外に信頼できる先発は田口ぐらいで、あとは投げてみなければ分からないのが現状だ。

不安定な先発ローテのツケがブルペンへの負担となる悪循環。
そんな苦しい中でも、プロ野球は過去ではなく、「今」と「先」を見据えてペナントレースを戦っていく。
内海や杉内の代わりに、20代前半の田口や今村をローテに固定。
山口や西村の代わりに、田原誠次や戸根千明といった若手投手を重点的に起用。
なぜ防御率6点台の田原をチーム最多の24試合で投げさせているのか?
それはなんとか山口に代わる「ブルペンの柱」を作ろうとしたからではないのか。
チームとしてひとつのサイクルの終わり。
今季の巨人は戦いの中で世代交代を進めていかなければならない。

由伸監督の1年目最大の仕事は「原巨人との決別」になるだろう。

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