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阪神・鳥谷敬限界説にNO! 打順が何番であろうと先発起用し続けるべき【小宮山悟の眼】

今季、阪神の鳥谷敬の調子が上がってこない。攻守にわたり精彩に欠く場面も見受けられメディアで厳しい指摘も受けているようだが、まだまだ活躍できる。

2016/06/03

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指揮官の期待に応えたいという思いが「プレッシャー」に

 阪神タイガースの鳥谷敬の調子が、なかなか上がらない。キャプテンの不調ぶりに、やきもきしているタイガースファンの方も数多くいるのではないだろうか。

 開幕から主に6番ショートとして出場。3番打者を任されていた新外国人選手ヘイグの二軍降格により、1番や3番、5番として起用される試合もあったが、結果を残せなかったため、5月には8番を打つことさえあった。6月1日現在の打率.244は、セリーグ規定打席到達者32選手のうち、28番目の成績。失策数もリーグ2位の7を記録している。まさに攻守に精彩を欠いている状態だ。

 不調の原因を一言で言えば、「プレッシャー」だろう。
 金本新監督の期待に応えようとする気持ちが、空回りしてしまっている。

 かつて慕っていた先輩が、新監督としてチームにやってきた。
 その新監督は、就任当初から「キーはキャプテンの鳥谷」という旨をメディアで発言してきた。鳥谷には、「どうしても頑張らねば」という気持ちが芽生えただろう。今年の春季キャンプで話した時も、「なんとしても監督の期待に応えたい」と必死だったことを憶えている。ただ残念ながら、その強い気持ちが、今のところプレッシャーとして裏目に出てしまっているのだろう。

 鳥谷を8番に据えた起用法は、メディア上で物議を醸したようだ。
 チームの顔である選手なのだから、8番ならベンチに下げたほうがいい。そういう指摘もあったという。
 しかし私は、鳥谷がチームの顔であるという意見には同意するが、ベンチに下げることには首をかしげる。何番だろうとスタメンで使い続けるべきだと思うし、金本監督も怪我などのアクシデントがない限り、そうするだろう。

 鳥谷は現在、連続試合フルイニング出場の記録を継続している(フルイニング出場は、遊撃手史上最高の629試合。連続試合出場記録は1663試合。※いずれも6月1日現在)。そして、その記録の偉大さや尊さを最も理解している人物こそ、フルイニング出場の世界記録を保持している金本監督だ。

 連続試合出場の記録が継続している要因は、もちろん鳥谷自身が元気にプレーし続けているから。ただ、選手を起用する立場の監督の視点からいえば、それは岡田彰布監督、真弓明信監督、和田豊監督という歴代の監督たちが引き継ぎながら打ち立てた記録ともいえる。そんな大記録を新人監督が簡単に途絶えさせるはずはない。他者の意思によって記録が途絶えることの悔しさを知っている金本監督ならなおさらだ。鳥谷本人が「下げてください」と直訴してくるまで、試合中にベンチに置き続けることはないだろう。

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