オリックス、自力V消滅もネバーギブアップ。イチローの言葉を低迷打破の『ヒント』に
元気のないオリックスだが、神宮でのヤクルト戦では粘り強い戦いを見せた。
2016/06/05
粘り強い戦いを
果たしてどうすればいいのだろうか――。つい先日、その巨人戦が行われた京セラドームのスタンドから熱心な年配の男性ファンが試合前、練習中のオリックスナインに向かって「イチローも悲しんどるぞ! 頼むで!」と叫んでいる姿を見た。その言葉がナゼかグッと心に響いた。
イチローはオリックスが生んだ屈指のスーパースターであり、偉大なOB。2000年オフにポスティング制度でシアトル・マリナーズへ移籍し、メジャーリーグでも数々の偉業を成し遂げてレジェンドになった。そのイチローは自分を育ててくれた古巣である、オリックスグループのCMに出演を続けている。
このCMはテレビでオンエア中なのでご覧になった人もきっと多いだろう。本拠地・京セラドームでは試合前の「ビジョン」にも流されている。そのCMの中でイチローは地上から成層圏に向かってボールを投げると次のようなセリフを口にする。
「僕らが住むこの世界には、まだ出会ったことのない驚きがきっとたくさんあるんだと思う。それを知りたいから、僕らはいつも新しいことにトライしたくなるんですよね――」
今年で43歳を迎えるイチローは、メジャー16年目のシーズンでも、いまだ第一線で活躍を続けている。このCMの中のセリフこそ自身のモットーであり、常に新しい目標と向上心を持つ姿勢の表れに違いない。
くしくも、今のオリックスの面々を鼓舞するメッセージにも聞こえる。
4日のヤクルト戦(神宮)で久々に連勝し、4カードぶりの勝ち越しを決めたオリックス。
まず前日3日の試合では1点を追う8回表、ボクセビックの2点適時二塁打で逆転し、さらに伊藤の適時打でリードを広げ、最後は1点差に迫られるも逃げ切って連敗を4で止めた。
そしてこの日も4-4と序盤の大量リードを追いつかれる嫌なムードの中、6回表に代打・中島の適時二塁打で勝ち越し、7回には糸井が放った8号ソロで突き放しに成功。屈辱の巨人戦3連敗後、連日のシーソーゲームを制した点からはこれまでにほとんど見られなかったネバーギブアップの精神を感じ取ることができた
レジェンドOBの金言を胸に、諦めない姿勢で「トライ」してほしい。