ホークス上林誠知、長い不調のトンネルを抜けて――憧れの“イチロー”を目指し進化を誓う
去年、“プロ初本塁打が逆転満塁弾”という鮮烈なデビューを飾ったホークスの上林誠知。プロ3年目は開幕一軍という目標を果たせないばかりか、長い不調のトンネルが待ち受けていた。
2016/06/23
一軍でアドバイスを受け、さらなる進化を
5月26日の二軍練習(タマスタ筑後)でのこと。
「これ、イチローモデルですよ」と新しいグローブをうれしそうに見せてくれた後、「フォームもしっくり来た。今日が一番!」と手ごたえを口にした。見逃し方でも自分のタイミングが見つかり、ヒットにならなくても間の感じ、内容が良くなったという。
現に、翌27日の試合から6月2日まで、毎試合安打を放った。その2日には今季初の一軍昇格の知らせ。「ビックリですよ!」と、神戸での二軍戦中に突然舞い込んできた朗報に驚いた。本人曰く、まだ“完璧”ではないが、「一軍は結果の世界なので、結果にこだわりたい」
早速、一軍合流当日の試合では、代走で途中出場。4日の広島戦では7番ライトで今季初スタメン出場すると、一打席目で今季初安打をマーク。その後は、なかなか出場機会に恵まれていないが、「出てナンボの世界」と常勝軍団の中で揉まれ、いつでも行けるよう備えている。
一軍でもさらなるアドバイスを受け、進化を続ける。
藤井打撃コーチには、今宮健太が成功している“テニス打法”を試すよう勧められた。また、疲れるとズレてしまう構えを一定にするため、工藤公康監督に投手トレーニングを練習前に約1時間取り入れるように言われた。
「いろいろやってみて、これだっていうのが見つかるかもしれない。違ったとしても、自分の引き出しが増えていく」(上林)
憧れの“イチローさん”も、毎年変化を遂げながら進化している。そして、日米通算で歴代最多安打の偉業を成した。
「毎年一緒じゃ面白くないんで」と自らもイチローのようにたくさんの変化を経て、少しでもそのステージへと近付けるよう、進化し続ける。次は、鷹のイチローの出番だ。