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3位ターンのラミレスDeNA。昨年の大失速を糧に“冒険のクライマックス”へ

40勝44敗3分の3位で後半戦を迎えるDeNA。ひとまず、好位置につけているといえるだろう。しかし、誰もが記憶している昨季の大失速を想起すれば、安心もしていられない。新しい風を吹かせているラミレス新監督の狙いは成就するのだろうか。

2016/07/18

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試行錯誤の中で、前向きな監督の姿勢が選手を鼓舞した

 2年連続Aクラスターンとなった横浜DeNAベイスターズ。40勝44敗3分、リーグ単独3位で後半戦に挑むことになる。

 前半戦を振り返りラミレス監督は以下のように語っている。

「選手たちが一生懸命戦ってくれた結果。勝率5割はかなわなかったけど、(借金が二桁あった)4月の終わりを考えたら5割に近づく形で終われて良かった。もっと良い現実にすることができたかもしれないけど、チームは良くなっている。さらに上を目指していきたい」

 あいかわらずポジティヴなコメント。
 抜擢当初は新任監督としてその手腕を不安視されていたが、昨年の就任以来、キャンプ、ペナントレースを見てきて気づくのは、ラミレス監督からネガティヴな発言や起用した選手に対する不満がほとんど聞かれないことだ。

 常に前向きに選手を鼓舞する。起用法に関しても、事前に選手たちとしっかりと話し合った上で何を求めているかを理解させ、仕事を任せている。

 例えば、ケガで出遅れた梶谷隆幸に対しては、センターからライトへの起用、また1番、3番、6番、8番と打順を入れ替え、再びチームの柱になってもらうため梶谷の意見も聞きながら復調を促している。

 振り返ってみれば春先は、理解しがたい采配があった。繋がらない打線ゆえに頻繁な組み替え、調子が一向に上がらないロマックの起用、投手の調子と心理をいまいち把握できないままの継投、そして相手投手によって隔たっていた左右の打線……。

 ただラミレス監督が優れているところは、自らのミスとおぼしき事象を糧とすることで、後にしっかりと生かしているということだ。山口俊のような完投型のピッチャーをどこまで引っ張ればいいのか。そして右左に隔たっていたオーダーも、桑原将志や宮崎敏郎のように目に見える結果を出した選手は、左右関係なくスタメンでの起用が多くなった。結果的に打てる選手をきちんと絞りこんでレギュラーを固めつつある。

 後半戦に向け、筒香嘉智、ロペス、倉本寿彦ら不動のレギュラーがいる打線はまだしも、やはり心配なのは投手陣である。

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