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プロ野球とJリーグともに本当の意味での「地域密着」の実現へ――『地域スポーツクラブ』が日本のスポーツ界を変える

サッカーも野球も、現在はさまざまな形で地域貢献(ホームタウン)活動や地域密着の活動が行われている。また、先日プロ野球の楽天が中学生年代のチーム創設を発表した。こういった取り組みが地域活性化につながり、「地域スポーツクラブ」としての存在価値を高めていくのではないだろうか?

2014/12/10

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地域スポーツクラブの普及は重要

 地域スポーツクラブとは、アマチュアスポーツのことだけを指すのではない。
 プロだろうがアマチュアだろうが地域に根付き、スポーツを通じて地域社会の活性化に取り組んでいればすべてが「地域スポーツクラブ」である。

 特にプロスポーツというコンテンツを持ったプロ野球、Jリーグにおいてはスポーツを通じた地域社会の活性化の先頭に立ち、勝った、負けただけでない、新しい日本のスポーツの価値を見出していかなければならない。
 それが結果として、持続可能な新しい日本のスポーツモデルの構築につながるのである。

 まだまだこの崇高な理念は、日本スポーツ界において十分に浸透されているわけではない。
 少なくともJリーグは誕生して20年を経過しているにもかかわらず、この地域スポーツクラブの重要性が100%理解されているといは言いがたい。

 20年も経てばそれなりの形ができるのではないかと思う反面、20年前のこの崇高な理念は時間の経過とともに私たちの意識の中で薄れてしまってはいないだろうか。
 その証拠に親企業やメインスポンサーが撤退すると立ち行かなくなるケースや、毎年の身売り問題などが新聞紙上を賑わせているのが現状である。

 危機的な状況にある日本のスポーツ界において重要なのは、見た目の派手さではなく、新しい日本のスポーツ界の土壌づくりである。
 1993年のJリーグの誕生は、従来の学校体育や企業スポーツからの脱却、新しい日本のスポーツ界へと姿を変えるための転換期であった。

 本来、スポーツとは企業のために存在するものではない。
 私たち一人ひとりのために存在するものである。

 プロ野球界でも先日、楽天が中学生年代の野球チームの創設を発表した。
 新しい育成活動の取り組みである。サッカー同様に、こういった育成年代のチームを展開していくことは大変に意義深い。

 地域に根付き、地域の人々に応援されてこそ、本来のスポーツの姿。それは結果として経営を安定させることにつながるのである。

 だからこそ日本の新しいスポーツ文化の創造には「地域スポーツクラブ」が必要なのである。

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