結果を出す人は〝再現性〞が高い 毎日手を抜かず信じて継続する【森原康平 地道が近道】
2025/03/18 NEW
産経新聞社
上手くなっていく選手と、そうではない選手では一体何が違うのか?
僕が野球はもちろん、物事に取り組む際に大切にしていることは〝継続する強い意志〞です。それに気づかされたのは小中学生の頃でした。
当時、日本やアメリカの球界で活躍していたイチローさんの著書を読んで、世界屈指のバッターは〝ルーティン〞を大事にしていることを知りました。
とにかくイチローさんは毎日練習で決まった数を素振りし、変わることのない同じトレーニングをして、決まったルーティンで打席に入るのです。
自分のカタチを崩さずコツコツと我慢強く続けることが、成長するためには必要なのだと学びました。天才と言われるバッターであっても、たゆまない日々の努力をしている。
もちろん今の僕であれば理解できることですが、子どもだった自分は驚いたことを覚えています。あんなにすごい人でも毎日コツコツとやっている―。
当時から人を観察するのがとても好きでした。
上手くなっていく選手と、そうではない選手では一体何が違うのか?
自分に野球の才能があまりないのを自覚していたので、どうすれば上手くなれるのか興味をもちましたし、人を観察することでヒントを得ようとしていたのです。
わかったことはピッチャーもバッターも〝再現性〞が高いということでした。
スポーツにおける〝再現性〞とは、どのような状況下にあっても、安定して同じ動作を繰り返しできることを指します。
とくにいいピッチャーは、いくら疲れていたとしても同じフォームで狂うことなく毎回のように投げることができる。
経験上、日ごろから高い意識を持ちコツコツと同じ練習をすることでしか〝再現性〞というものは生まれません。
ベイスターズのチームメイトで言えば、東克樹が代表例です。
ものすごい速球や強烈な変化球があるわけではないのに、どんな状況であっても崩れることなく同じフォームで投げ、コントロールよく寸分狂わぬピッチングをします。
東を見ていると、本当にすごいなといつも感心しています。
体調は日々変化するものですし、好不調の波というのは必ずあります。また気持ちの面もピッチングの出来を左右します。
それでも〝再現性〞の高い選手は、日によっての振れ幅が小さく、安定したプレーができる。これは決して簡単なことではありません。
徹底した準備、さらにメンタル的にも強靭で安定していなければ不可能だと思います。
書籍情報
『地道が近道 ゆるやかに成長し続ける”成功思考”』
定価:1980円(本体1800円+税)
挫折・誹謗中傷も経験。
日本一の胴上げ投手による「メンタル強化書」
「勝ちゃえんよ」
結果を出す人は再現性が高い
まずすべてを受け入れる
真剣に失敗し、次に生かす
数年後をイメージしてゴールから逆算
振り返れば、僕の野球人生は決して順風満帆なものではありませんでした。
野球の才能面では、〝凡人〟だったと言ってもいいでしょう
そんな苦しい渦中であっても自分を支えていた言葉がありました。
「成功者より成長者であれ」です。この姿勢はアマチュア時代から変わりません。
思うのは〝凡人〟だからこそ得た感覚です。
本書では、僕の『心・技・体』における成長過程や、何を考えて日々生活し、取り組んできたのかを記していきます。
プロの道を目指しているけど自分では平凡だと思っている人はもちろん、社会生活を営む一般の方々にも生きていく上で少しでもヒントになればいいなと思っています。
【了】