巨人『リメークドラマ』が風前の灯。即戦力として獲得した外国人選手、ドラフト組の働きが誤算
今季2位に甘んじている巨人。頼みの即戦力として活躍が期待された外国人選手、ドラフト組が1年を通じて機能しなかったのは大きな誤算と言えるだろう。
2016/08/29
即戦力で期待された選手は一様に結果出ず
この12人以外にもキューバ人外野手のホセ・ガルシアが所属していたが今月18日に契約を解除されている。
球団側はキューバ国内リーグ打点王にも輝いたガルシアを開幕後の4月に獲得。将来的な成長が大きく見込まれる逸材として一軍でも起用しながら育成していく方針だったが、さまざまな面について再考の末、結局わずか4カ月で契約解除という結論に至った。
ガルシアは、6月に一軍デビューを果たしたものの、7打数無安打に終わり、その後二軍で再調整となっていた。
その後ガルシアは23日、母国キューバへ帰国する経由地のフランスで消息を絶ったと米メディアが報じた。報道によれば、メジャーリーグ入りを目指した亡命である可能性が高いと指摘されている。
実際にメジャーリーグの代理人たちの間でも、この騒動は瞬く間に広まった。中には「ガルシアがジャイアンツで活躍できなかったのは、早く球団から解雇されて亡命したいがために二軍、三軍の試合で意図的に手を抜いていたり、怠慢プレーを繰り返していたりしていただけだったのかもしれない」と疑念を抱く者もいるが、もはや真相は本人しかわからない。
期待外れに終わった外国人選手は退団したガルシアだけではない。ファームに目を向ければ、今年6月まで四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスに所属していたべネズエラ人の左腕ガブリエル・ガルシアだ。当時徳島で好成績を残しており、即戦力としてシーズン途中に緊急補強を行ったが、一軍登板に至っていない。
7月7日の阪神戦(東京ドーム)を観戦した後、メディアに対して読売新聞グループ本社代表取締役主筆・渡辺恒雄氏が「由伸(高橋監督)の責任じゃないからな。フロントだよ。補強してないんだから。こんな補強せずに、今の陣容で勝てったって無理だよ」と辛らつなコメントを口にしたことを思い出す。
ちなみに今季はルーキーも散々な状況となってしまった。右ひじの張りから三軍で調整中の昨秋ドラフト1位・桜井俊貴投手も25日、東大戦(東大球場)に先発したものの、6回11安打7失点に終わっている。同じく昨秋2位の重信慎之介外野手も一軍では結果が残せず、長きに渡って二軍調整を強いられた。ようやく28日のDeNA戦(横浜)で一軍再昇格を果たし、6月3日の日本ハム戦(東京ドーム)以来となる「2番・中堅」でスタメンに名を連ねたが、遅きに失した感は否めない。
残り試合の結果いかんだが、来季に向けた新外国人選手の獲得にドラフト戦略と、編成の見直しが求められるのは必須と言えるだろう。