巨人若手選手を悩ます深刻な「ブレイク2年目のジンクス」【死亡遊戯コラム】
広島のマジック点灯後、巨人は追い上げるどころか一気に失速。夏場の勝負所でもやはり成長著しい若手が現れず、戦力差を改めて露呈する結果となった。
2016/09/03
実績あるベテラン組を実力で脅かす選手は現れないのか
入団当初、2軍の強化指定選手として育成されたはずの90年組外野陣も揃って精彩を欠いている。
橋本到は14年の開幕スタメンを勝ち取り、その年103試合出場、打率.256、4本、35打点とレギュラーを掴んだかに見えたが、翌15年は68試合で打率.219、今季も59試合で打率.227とほとんど1軍の戦力になれていないのが現状だ。
未完の大器と言われて久しい大田泰示は12年に特大のプロ初本塁打を放ち、ついにスラッガーとして開花するかと思われたが、結局プロ8年間で通算9本塁打。背番号も55から44へと変わり、ついでに打撃フォームも毎年目まぐるしく変わっている。
そして、昨年ブレイクした立岡宗一郎と高木勇人の2人の若手選手も今シーズンはともに苦戦中だ。
トップバッターとして103安打を放ち、打率.304、16盗塁を記録した立岡は開幕直後こそプロ初本塁打を放つなど、さらなる飛躍を予感させたが、5月末に左脇腹肉離れで離脱。45試合で打率.231、2本、9打点、8盗塁と成績を落とした。
このチームに数少ない走れる外野手立岡の不在は由伸巨人にとっても大きなダメージとなってしまった。
昨季ルーキーながら9勝を挙げた高木勇人も今季は4勝8敗、防御率4.32と不安定な投球が続き、現在は中継ぎ要員として起用されている。
活躍と低迷を繰り返す若手陣。これだけ同じようなケースが続くと、そろそろジンクスを破る選手に出てきてほしいところだ。
2016年シーズン9勝7敗、防御率2.45と大きく成長した3年目サウスポー田口麗斗が来季もローテの一員として活躍できるか注目したい。
本当にプロ野球選手が1軍に定着して、長年活躍するのは難しい。
選手の入れ替わりの激しい巨人ならなおさらだ。
こうして見るとデビュー以来10年近く、遊撃手として毎年ほぼ全試合に出場し続けるキャプテン坂本勇人の凄さがよく分かる。
安定した成績と、それを支える怪我をしないタフな身体。
いかに「次の坂本」を作るのか?
それが来季以降、由伸巨人の最大のテーマとなるだろう。