カープの胴上げを見なかった巨人、由伸流はCSにどう影響? 原前監督時代は「悔しさを焼き付ける貴重な機会」
10日、25年ぶりに広島がセリーグを制した。一方、敗れた巨人は高橋監督を筆頭に胴上げを見ることなく、ベンチ裏に引き上げた。
2016/09/11
敗戦後、ベンチ裏に早々と引き上げた監督・選手
広島東洋カープが25年ぶりのリーグ優勝を決めた。10日に敵地の東京ドームで巨人を相手に6-4で逆転勝ち。試合後は大歓声に包まれながら緒方孝市監督が7度宙を舞った。そしてこの日先発して今季9勝目を飾った黒田博樹投手と、4番・新井貴浩内野手の両ベテランも涙の胴上げ。敵地ながらも東京ドームを真っ赤に染め上げた鯉党、そして地元・広島の喜びも相当なものだった。
その一方で、これ以上ない屈辱を味わったのが相手の巨人だ。自らの本拠地・東京ドームで完敗を喫し、広島の胴上げを本拠地において目の前で見せ付けられる格好となった。いや、これは正確に言えば「見ようとしなかった」という表現が適切であろう。
最後の打者・亀井善行外野手がG党の必死の応援も虚しく遊ゴロに倒れると、グラウンドにはカープの面々たちによる歓喜の輪ができた。それから数分後に胴上げが始まったが、一塁側ベンチの巨人勢は高橋由伸監督を筆頭に、そそくさとベンチ裏に引き上げていったのだ。
実際にこのシーンは当日の地上波の試合中継でも克明に映し出されており、それもあってネット上では巨人ファンの間からも疑問の声が散見できた。
印象に残ったコメントを一部拾い上げてみると、次のようなものがあった。
「巨人が負けたのは悔しいけれど、由伸監督は何で胴上げを見ようとしなかったのだろう。正直、いい気分にはなれなかった」
「戦い終わってノーサイドというのがスポーツマンシップじゃないの? ともにリーグを戦って節目の試合になったのに〝はい、負けました〟と引き上げるなんて余りにも大人気ない」
一方で当然のことながら、「見届けなければいけないというルールはない。見るか、見ないかは巨人側の自由」という意見も見られた。
相手が喜びに浸る姿なんて見たくもないし、見ても仕方がない――。もしかすると、そのように指揮官の高橋監督は考えたのかもしれない。