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由伸、阿部の後継者は? 巨人を悩ます「次代の左の長距離砲不在」問題【死亡遊戯コラム】

広島に圧倒的なゲーム差を付けられて、優勝を逃した巨人。巨人の強い時代はいつも左のスラッガーが存在した。

2016/09/17

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強烈な存在感を放った、代打の切り札

47試合で38打数15安打の打率.395、9打点。なんと出塁率は.489。

これが昨季の「代打・高橋由伸」の成績である。
まさに切り札。背番号24が打席に向かうと東京ドームは大歓声に包まれた。
登場しただけで球場の空気を変えられる選手はそういるもんじゃない。
今季、巨人の代打率.152はリーグ最低。
皮肉なものだ。由伸監督が最も必要としていたカードは「代打・高橋由伸」だった。

この由伸の引退で、チームに日本人選手の左の長距離砲は阿部慎之助ただひとりとなった。
通算1907安打、373本塁打を誇る阿部も37歳。
今季は開幕から右肩の故障で出遅れるも、打率.316、12本、51点、OPS.877と現在は「4番ファースト」としてチームを牽引している。
14年打率248→15年打率.242→16年打率.316と一気に打撃成績を上げ限界説を一蹴してみせた。
最強のキャッチャーではなくなっても、阿部はチーム最強の左打者だったのである。

巨人軍の看板選手と言えば、昔から「左のスラッガー」が多かった。
古くは川上哲治、V9時代の王貞治。70年代中盤にトレード獲得した張本勲。80年代以降は駒田徳広や吉村禎章、そしてクロマティがいた。
93年にはゴジラ松井秀喜がデビュー、続けて98年に高橋由伸、01年は阿部慎之助とチームは「左の長距離砲黄金期」を迎える。
さらに00年代前半はヤクルトからロベルト・ペタジーニ、近鉄からタフィ・ローズが移籍。
07年にはFAで日本ハムからサムライ小笠原道大がやってきた。
ちなみに過去に巨人で50本塁打以上を記録した打者は左打ちの王と松井の2人のみだ。

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