陽岱鋼がFA。主力が抜けても好選手が台頭する日本ハムの選手事情
外野のレギュラーとして6年間活躍してきた陽岱鋼がFA行使を決断した。その去就に注目が集まるが、これまでも日本ハムは主力がFAで移籍しても、そこを埋める選手が必ず現れている。
2016/11/10
過去には小笠原、糸井、大引らが移籍
11月7日、日本ハムの陽岱鋼外野手が記者会見を行い、FA権の行使を表明した。日本ハム退団は確実と見られ、今後は複数球団による争奪戦に発展しそうだ。陽は05年の高校生ドラフト1位で、日本ハムに入団。2011年にレギュラー定着を果たすと、12、13年は連続フル出場に加え、13年には自身初の盗塁王も獲得するなど、チームの中心選手として活躍した。
15年は故障のため86試合の出場に終わったが、今季は復活を果たし、打率.293、14本塁打、61打点、OPS.790の成績を残した。守備でも好プレーを見せる場面が多かったが、守備範囲を示す各種指標は下落。過去5年間は2ケタ以上記録していた盗塁も、今季はわずか5つ(6失敗)に終わった。
しかし攻走守、すべてにおいて球界屈指の能力を持つ選手であることは間違いない。
主力選手が抜けるのはチームにとって大きなダメージだ。しかしその一方で、日本ハムの外野陣は若く才能豊かな選手が豊富にいる。過去に日本ハムは主力選手が抜けても、しっかりと次世代が育ってきたという実績もある。
ここ近年、FAやトレードで日本ハムから移籍した主力選手を挙げてみると以下の通りだ。
12年オフ 田中賢介(メジャー移籍)
糸井嘉男(トレード)
13年オフ 鶴岡慎也(FA移籍)
14年オフ 大引啓次(FA移籍)
小谷野栄一(FA移籍)
田中の抜けた二塁には西川遥輝がハマり、翌年は中島卓也も台頭。守備に不安のあった西川は、糸井が抜けてレギュラー不在になっていたライトに定着した。1年で絶対的レギュラーが2人抜ける危機を若手の台頭で乗り越えてみせた。
13年に鶴岡の抜けた穴は、大野奨太の成長と市川友也らで埋め、14年には三遊間の2選手をFAで流出したものの、中島のコンバートと、新外国人のレアードを辛抱強く起用することで、15年は前任者以上の布陣となった。
過去にも小笠原道大が抜けた07年には小谷野栄一がレギュラー定着、森本稀哲がFAで移籍した11年には、陽がポジションを手中に収める等、主力が抜けても常に次世代の選手が出てくるのは、日本ハムの伝統になりつつある。