守備難のロッテ・ダフィー、安定度高いヤクルト・グリーン……来季の新外国人選手、活躍はいかに
11月も半ばを迎え既に5人の新外国人選手の獲得が各球団から発表された。ロッテ・ダフィーや、西武のシュリッター、DeNAウィーランドら新外国人たちは来季、チームの躍進に貢献できるだろうか。
2016/11/20
ヤクルト・グリーンは有望?
西武のシュリッターは、2014年にカブスで61試合に登板したこともあるリリーフ右腕。主に使うのはフォーシーム、シンカー(ツーシーム)、スライダーの3球種で特に投球割合の高いシンカーでゴロを打たせるピッチングが持ち味。球速もMAX156km/h、平均でも150km/hオーバーと速いものの、奪三振率は低めで与四球率も高い。
ただ、長身(196cm)から小さく動く速球を投げ下ろす投手を苦手とする日本人打者は多く、3A163試合で67セーブとクローザーとしての経験も豊富。制球という不安はあるものの日本野球に適応できれば面白い存在となりそうだ。
メジャー通算12登板のウィーランドは、マイク・アダムスやマット・ケンプといった大物選手のトレードにも絡んだ元有望株。最速151km/hのフォーシームに、大きく割れるカーブ、チェンジアップを混ぜ合わせる。チェンジアップは左打者の芯を外す目的で使われることが多い。かつて三振を取る時に使っていたスライダーは近年使用を控えている。
マイナー通算の四球率は1.9と制球には問題が無く、先発としてある程度の計算は立つ。ベイスターズの先発陣を見ると左投手は石田、今永の両輪がいるものの、右投手はFAの山口が抜ければローテが確約されているのは井納のみ。ウィーランドが10勝前後あげる活躍を見せればやりくりは楽になる。
メジャー通算272試合のペドロ・シリアコを兄に持つシリアコは、今季BCリーグで打率.332、15本塁打と猛打をふるった。遊撃手としてプロ入りしたこともあり、米マイナーでは4ポジションを守った経験がある。今季ロマックが大誤算に終わり、サードを固定できなかったDeNA。シリアコが定着すれば非常に大きいが、国内独立リーグ出身の外国人野手で活躍したのはカラバイヨ(元オリックス)ぐらい。シリアコは続けるだろうか。
ヤクルトが獲得したグリーンは193cm、115kgの体躯を誇る巨漢一塁手。故障がちの畠山に代わって中軸・一塁に座ることが期待される。メジャー昇格こそないが、マイナー通算.306とアベレージは高く、三振も多くない。一方で3Aでは329打席で8本塁打、2Aでも1113打席で41本塁打と長打力は控えめの中距離打者タイプ。狭い神宮なら期待以上の本塁打数をたたき出す可能性はある。
外国人選手の活躍がチームの順位を左右するのは今季の広島や日本ハムが証明したとおり。彼ら5選手がどのような成績を残すのか期待したい。