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頑固さに支えられた芯の強さ 斎藤佑樹よ、今は「もがけるだけもがけ」【小宮山悟の眼】

千葉ロッテ、さらにはニューヨーク・メッツでプレーし、現在プロ野球解説者・評論家の小宮山悟氏の連載。さまざまな球界のニュースや動きに対して、小宮山氏の眼にはどう映るのか? 新しい野球のミカタをファンの皆さんに提示していきたい。新年一発目は、期待も込めて、自身の大学の後輩でもある北海道日本ハムファイターズの斎藤佑樹についてだ。

2015/01/10

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いつか、野球人として貴重な経験を積んできたと実感できる日が来る

 斎藤佑樹がプロ入りから昨年までの4シーズンで残した一軍通算成績は、45試合登板、13勝16敗、防御率3.66という数字だ。12年末に右肩を故障し、13年は未勝利。昨年7月に785日ぶりの勝利をマークしたが結局、そのシーズンも2勝に終わった。
 
 アマチュア時代から健康体で投げ続けてきた投手だけに、この故障は想定外だったはずだ。
 手術が必要かもしれないというどん底から、這い上がってきたことを評価したい気持ちもあるが、その一方で彼はただ戻るだけではいけない立場であることも事実。それに、怪我の影響を差し引いたとしても、お世辞にも周囲の期待に応えた数字を残したとは言えない。
 
 もちろん、斎藤本人も同様の想いを抱いているだろう。
 
 斎藤がプロの世界でも、学生時代のように輝ける日は来るのか。それともこのまま芽が出ないまま終わってしまうのか。きっと彼は必死にもがいているに違いないだろう。
 
 そんな斎藤に今、私は敢えて「もがけるだけもがけ」という言葉を贈りたい。直面する困難に正面からぶつかり、苦労するだけ苦労すればいいのだ。
 
 斎藤がこれから先、どのような野球人生を歩むのか、それは誰にもわからない。ただ、どのような現役生活、そして引退後の人生を送ったとしても、現在もがいていることがプラスに働く場面に必ず出くわすはずだ。
 
 もしかしたら、怪我をしたことを含めて「何で俺だけ……」という思いが斎藤本人にもあるかもしれない。しかし、そんな不運も含めて、実は野球人として貴重な経験を積み重ねている、ということを、いつか彼は実感するだろう。それが何年後なのかはわからないが、野球界の先輩の一人として、必ず来ることだけは断言できる。

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