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2017年で見納め? 2016年もすごかった! 編集部が選ぶ、大谷翔平10大ニュース

2016年を10大ニュースで振り返るシリーズ。怪物・大谷翔平の2016年の一挙手一投足をトピックスとともに紹介する。

2016/12/29

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節目の試合で大仕事

 今年もたくさんの驚きを見せてくれたのが北海道日本ハムファイターズの大谷翔平だ。昨年、投手として15勝を挙げ、今年は打者として22本塁打。驚くほかない。試合前練習で彼のバッティングをみる機会に何度も恵まれたが、ほれぼれする打球だ。

 そんな大谷の2016年の10大ニュースを編集部が勝手に選んでみた。

■「1番投手・大谷」リアル二刀流解禁!
 
 今年の大谷で思い起こす一番手はこのニュースだ。
 7月3日の福岡ソフトバンクホークス戦でのことだ。この試合の少し前から「何かが起きる」というのはニュースとて伝わりつつあった。試合前から、指揮官の栗山英樹監督の起用法に注目が集まった。

 それが「1番投手・大谷」だった。

 起用するだけなら、指揮官が腹をくくればいいだけのことだっただろう。しかし、これに大谷が応えるのだから、末恐ろしい。いきなりの先頭打者本塁打。当日、別のカードを球場で見ていたが、すぐさま、ニュースが駆け巡った。

 リアル二刀流を果たしただけでなく、先頭打者本塁打。大谷はバケモンだ!

 

■高校時代の先輩、菊池に投げ勝ってパリーグ制覇
 
 9月27日の埼玉西武ライオンズ―日本ハム戦(西武プリンスドーム)の試合中、5回のインターバルが楽しみでならなかった。

 というのも、西武ライオンズの本拠地ではこのタイミングに予告先発の発表を行うからである。翌28日の試合は西武の先発が菊池雄星と予測が立つ一方、日本ハムは大谷翔平を含めて、3人ほどの候補がいた。果たして、どうなるのか注目だった。

 5回終了後のインターバル、予告先発が発表された。
 西武・菊池雄星、日本ハム・大谷翔平だった。
 高校の先輩・後輩というつながりもあるが、それよりも、左右の球界最速投手が優勝決定試合で相対するということにまず楽しみを覚えた。

 実際に28日の試合は白熱の投手戦を展開。
 菊池が4回にレアードに一発を浴びるも、大谷とのしびれる投手戦。いつまでも見ていたいと思える投げ合いだった。

 結局、大谷は5回に森友哉に1安打を浴びただけの完封勝利。

 大谷といえばストレートとフォークの印象がある投手だが、この日はスライダーが冴えた。「フォークのほうが危険だったんで、今日はストレートとスライダーだけでいいかなと思って、そうしました」と淡々と答えていたのも印象的だ。

 優勝決定試合、相手は高校の先輩・菊池という中での快投に「僕にとって雄星さんは特別な存在。投げ合う意味が違うし、こういう大事な試合でどういうピッチングができるかが成長していくために大事な要素」と振り返っていた。

 1安打完封で胴上げ投手に輝いた。大谷、恐るべし!

 

■CSファイナルステージ、クローザー大谷、160キロ超え連発
 
 165キロを連発――物議をかもすCSファイナルでの出来事だった。
 ソフトバンクとのCSファイナルステージ第6戦。日本ハムは3点リードの9回表、マウンドに大谷を上げた。大谷は4日前の第1戦に先発し、7回を1安打0失点で勝利投手になっていた。

 ここで敗れてもまだ後があったこと、勝ってもまだ日本シリーズを控えていることを鑑みれば、無理する段階ではないだろうという見方があった。実際、今も疑問に思っている。

 そんな周囲の危惧をよそに、怪物・大谷は165キロをマーク。クローザーということでペース配分を考える必要がないことも影響したのか、連発した。多くの解説者は大谷の快投でこの起用に疑義を呈するのをやめたのだろう。多くを黙らせたピッチングだった。

 ただ、大谷のクローザーの適性を見せた試合でもあった。来季、大谷、クローザー転向もあるか!?

 

■侍ジャパンで天井弾
 
 2016年最後の最後まで彼はやってくれた。
 侍ジャパン強化試合の対オランダ戦。大谷翔平は代打で登場すると、それはそれは、高い高い大飛球を打ち上げた。

 筆者も現地で観戦していたが、打球を見失った。
 視力が低下したのかと自身の身体を危惧したが、どうやら筆者だけではなかったようだった。ボールが東京ドームの天井に吸い込まれていったのだ。

 大谷に見慣れていた我々は、シーズンの終盤になるとホームランだけでは驚かなくなっていた。その中で、天井弾。最後まで魅せてくれる選手だ!

 

■史上初!ベストナイン2ポジション同時選出
 
 ルール改正のために記者が気を遣ったのか……そう思わざるを得ない。

 今年9月20日、ベストナインの投票においての規定が改定された。投手と野手の2ポジションでの選出が可能となった。大谷翔平に2ポジションでの受賞をさせるためのルール改正。いわゆる“大谷ルール”だ。そして、結果はその通りになって、大谷はW受賞した。

 しかし、実際、この投票は正しいのだろうか。
 個人的な見解を言わせてもらえれば、疑問を抱かざるを得ない。

 規定投球回数に達していないことがまず引っかかる。「二刀流だったから」という声もあるが、大谷が投手としての規定投球回数が満たなかったのは、打者のそれとは事情が違う。

 彼は右手の指のマメを潰して離脱したのが発端となった。
 マメではなく、本当は右ひじを痛めているとの噂も流れたほどだが、理由はどちらにせよ、投手として投げられない理由があったことはマイナス要素として差し引かねばならない。

 最多勝を挙げたソフトバンクの和田毅と防御率1位の千葉ロッテマリーンズ・石川歩もこの1年は奮闘した。彼らの活躍が恵まれないのはフェアじゃない。来年こそ、本物のW受賞を見せてほしい!

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