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阪神の「超変革」は着実に進行中。来季は真価を問われる1年に【2016年通信簿】

 セリーグ3位ながら借金1でシーズンを終えた2015年限りで和田豊監督が辞任し、新たに金本知憲が監督に就任した今季の阪神タイガース。チームスローガンに「超変革」を掲げ、心機一転のシーズンとなるはずだったが、交流戦で借金生活に突入。結局、6月5日以降はシーズン終了まで一度も勝率5割に到達することなく、64勝76敗3分、4位の結果に終わった。  積極的な若手の起用など、チームの将来を見据えた確かなビジョンは垣間見えたが「育成と勝利」の両立とまではいかず……。  金本政権1年目は、光明と課題、その両方がくっきりと浮き彫りになったシーズンだった。

2016/12/26

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「4位」という結果以上に期待を持たせる1年

総合 3点 
 
 「超変革」は間違いなく結実しつつある。球団、首脳陣、選手、そしてファンも、少なからずそれを実感している。4位という結果ながら批判の声が比較的少ないことが、それを証明している。
 まだまだ粗削りではあるが、若い選手の出場機会は確実に増えた。「期待の若トラ」と騒がれた選手のほとんどが実は20代後半の「中堅選手」だった時代を考えれば、今季は20代前半、「本当」の意味での若手有望株が多く紙面をにぎわせた。
 シーズン終盤を今季チーム最高の7連勝で終えるという結果は「遅すぎた」という見方もできるが、来季への光明を見せたともいえる。
 90年代の暗黒時代は脱したとはいえ、気付けば2005年以降、実に11年間も優勝から遠ざかっている阪神。勝利にはそれなりの犠牲を払う必要がある。その意味で、今季は近年では最も大きな犠牲を払った年でもあった。あとは結果を残すだけ……。
 思えば、2003年の星野仙一、2005年の岡田彰布ともに、リーグ優勝は監督就任2年目。そして1年目は両監督ともリーグ4位。奇しくも金本政権1年目の今季も、リーグ4位だ。2度の優勝に主砲として貢献した金本監督は、2人の監督と同じ道を辿ることができるのか――。
 今季、独走でセリーグを制覇した広島、大補強を敢行した読売ジャイアンツ、阪神以上に元気な若手が揃う横浜DeNAベイスターズと、上位陣の壁は厚い。もちろん、強力打線の東京ヤクルトスワローズ、森新監督のもと復活を期す中日ドラゴンズも侮れない。
 混戦が続くセリーグを抜け出すことは容易ではない。それでも、新生・阪神タイガースが今季見せた戦いは、リーグ4位という結果以上に大きな期待を抱かせてくれた。

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