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日本ハム10年ぶりの日本一。指揮官のマネジメント力と、球団の一貫した育成システムは球界随一【2016年通信簿】

10年ぶりの日本一に輝いた日本ハム。ペナントレースではソフトバンクとの最大11,5ゲーム差をひっくり返す大逆転で優勝を飾った。投打ともに戦力が充実し、実りの1年であったことは間違いない。各部門における日本一の要因を探っていきたい。

2016/12/31

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投手陣の力結集で日本一へ

投手5点
 決して順風満帆な出だしではなかった。
 ロッテとの開幕シリーズは連敗スタート。2年目の有原航平がその3戦目を制した粘りが、このチームにとっての1年の始まりだったのかもしれない。

 振り返れば、開幕からローテーションを最後まで務めた選手は一人もいなかった。キャンプからしのぎを削り、シーズンに入って機会をうかがいながらチャンスをつかみ、結果を残していった選手が最後は優勝に大きくかかわった。

 チームにとって潮目が変わり始めたのは6月からだ。
 それまでリリーバーだった大卒3年目の高梨裕稔を先発に配置転換。高梨、有原、大谷翔平の“トリプルタワー”ローテを形成すると、7月にはこの3人で宿敵・ソフトバンクに3タテ。フォークを不得手とするソフトバンク打線に一泡吹かせたのだ。

 そのあと、大谷が指のマメで離脱すると、8月からはクローザーだった増井を配置転換。増井は先発に転向すると、1完封含む2完投6勝を挙げる(先発のみ)活躍で、見事に日本ハム投手陣の救世主となった。

 そして、リーグ優勝を決める試合では、エースの大谷が本領を発揮。対戦相手の西武打線を1安打に抑える完ぺきな投球で選手全員の想いを完結させたのである。

 規定投球回数をクリアしたのが有原だけだったというから、いかに、投手陣全員で戦ったのがうかがえる。

 総力戦で戦ったのはリリーフ陣も同じだ。
 高梨・増井の二人が先発転向し、負担はリリーバーに押し寄せた。そこで谷元圭介、宮西尚生の二人が絶対的な存在と君臨し、シーズン終盤に離脱することになったがマーティンなど手を変え、品を変えて試合を締めていったのが、今季の戦い方でもあった。
 また、鍵谷陽平、井口和朋をポイントで起用。バースや加藤貴之、吉川光夫は先発との併用で深くチームの勝利に貢献した。総力を結集してつかんだ栄冠だった。

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