日本ハム10年ぶりの日本一。指揮官のマネジメント力と、球団の一貫した育成システムは球界随一【2016年通信簿】
10年ぶりの日本一に輝いた日本ハム。ペナントレースではソフトバンクとの最大11,5ゲーム差をひっくり返す大逆転で優勝を飾った。投打ともに戦力が充実し、実りの1年であったことは間違いない。各部門における日本一の要因を探っていきたい。
2016/12/31
攻撃力・守備力バランスとれた布陣
野手5点
日本ハムのようなチームが優勝すると、野球にとって大事なものが何かが伝わりやすい。
当然、本拠地球場の特性が影響しているというのもある。球場が狭くホームランが出やすいと、野球の醍醐味が何かを忘れてしまいがちになるが、日本ハムの戦いは実に洗練されていた。
攻撃面における数字が凄まじい。
打率がリーグトップなのは周知のとおりだが、攻撃に関するほとんどの数値が2位以内なのだ。本塁打、安打数は2位である一方、送りバントの数178はダントツで1位だ。盗塁数132も突出して多く、併殺打が少ない。
大味な野球でもなければ、スモールベースボールでもない。いや、どちらでもあるといったほうが賢明か。攻撃におけるバリエーションをすべて網羅していたのが日本ハムに強さだった。
「1番・投手」として先頭打者を放った大谷の活躍に驚かされたりもしたが、中島卓也のようなファールばかり打つ粘っこい選手もいるのだ。
ディフェンス面では、捕手の大野奨太、遊撃手の中島、中堅手の陽岱鋼らが好プレーを連発。それに引っ張られるかのように、守備面に軽さのあった西川遥輝までが手堅い所を見せた。リーグ2位の失策の少なさは投手陣を大いに助けた。
編成上も見事な構成だ。
中田翔、大谷、陽、西川らドラフト上位もいれば、中島卓也、杉谷、岡大海、近藤健介ら、そうでない選手たちもいる。
戦い方、チーム編成の両面において、適材適所のチーム作りをしている。