日本ハム10年ぶりの日本一。指揮官のマネジメント力と、球団の一貫した育成システムは球界随一【2016年通信簿】
10年ぶりの日本一に輝いた日本ハム。ペナントレースではソフトバンクとの最大11,5ゲーム差をひっくり返す大逆転で優勝を飾った。投打ともに戦力が充実し、実りの1年であったことは間違いない。各部門における日本一の要因を探っていきたい。
2016/12/31
シーズンを通じたマネジメント力
ベンチワーク5点
今年ほど、指揮官のベンチワークが目立ったシーズンはなかったかもしれない。
後半に向けてどうチームを盛り上げていくか、あるいは、窮地に陥った時にどう立て直すか。その差で雌雄が決まるが、栗山監督はうまくマネジメントした指揮官の一人だった。
ソフトバンクに11,5差を付けられても、慌てなかったし、何よりナインを信じていた。
栗山監督が優勝決定後に、それまでしたためていたフレーズがある。
「北の国から 2016 伝説 誰もあきらめなかった」。
少々、背筋が寒くなるが、この姿勢こそ、指揮官ならではの言葉であろう。誰も実現しないと思われた大逆転優勝をやってのけた胆力は見事だった。
投手のところでも振れたが、度重なる配置転換でチームを盛り上げた手腕は評価されるべきだ。もちろん、ピッチングコーチの厚沢和幸、吉井理人に拠るところもあっただろうが、指揮官として矢面に立った。
敗戦の矛先を選手に向ける指揮官がいる中、すべて自身で背負おうとした。最後までナインを信じることを恐れなかったことが10年ぶりの日本一を導いたことに他ならない。
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