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WBCでも「圧倒」を目指す菅野智之。大谷へのライバル心が世界一奪回のカギ

2015年のプレミア12で、期待されながらもインパクトを残すことができなかった巨人・菅野。負けん気の強い菅野が大谷をライバル視することで、チームに大きな相乗効果が生まれるのではないだろうか。

2017/01/25

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プレミア12での屈辱をWBCにぶつける

 昨年のレギュラーシーズンでは打線の援護を得られなかった試合が多くあって9勝6敗と2ケタ勝利こそ逃したものの、防御率(2.01)と奪三振(189)でリーグ最高をマークし、見事に二冠を獲得。しかしながら、菅野が「圧倒」のテーマを自らに課しながら目指すべきところは、ここまでではない。いわばこの〝プロローグ〟を経てWBCの戦いへと続いている。
 
 自身プロ入り後初の国際大会となった2015年11月の「プレミア12」ではエース格として期待されながらもインパクトのある投球内容は残せず(1次ラウンド・米国戦=4回2失点、3位決定戦・メキシコ戦=3回1失点)、チームも優勝を逃した。ちなみにこのプレミア12では先発マウンドで韓国を相手に2度も無失点の快投を見せて大会ベストナインに選出された大谷と明暗を分け、非常に対照的でもあった。
 
 その不完全燃焼に終わった悔しさは今も脳裏に焼き付いている。ここで不本意な思いを抱いたことこそが「圧倒」をテーマとしたきっかけにもつながっており、これを〝完結〟させるためにはやはり同じ国際大会のWBCで快投するしかない。
 
 他国代表の並みいる強打者たちを斬り捨ててマウンド上から制圧し、自らのレベルが世界でも十分に通用することを証明してみせる。菅野はそう自分に言い聞かせているはずだ。約1カ月に渡るハワイ自主トレでもWBC球を使って投げ込みを繰り返し、新球のチェンジアップ習得にも励んだことが各メディアでもつい先日報じられた。
 
 WBCの主役は自分が奪い取る。5歳年上の意地を見せつけようと菅野が大谷にライバル心を燃やすことで〝内なる戦い〟がチーム内に生まれれば、侍ジャパンにも大きな相乗効果が生まれるのではないだろうか。菅野、そして大谷のWエースの力投で必ずや世界一奪回を果たしてほしい。

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