愛嬌あるエスコバー、『ビミョーな外国人』脱却への期待【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#51】
今季ファイターズに加入した新外国人選手、エドウィン・エスコバー。試合によって投球内容にムラがあるが、まずは「負け試合のロングリリーフ」で結果を残し続けたい。
2017/05/21
助っ人の愛嬌に、心癒される
エスコバーの場合は顔がいい。何か愛嬌があって気になるのだ。ファイターズはレアードもそうだが、このところキャラ採用してるのじゃないかというフシがある。僕は「丹古母鬼馬二」と呼んでいる。ご存知だろうか、俳優の丹古母鬼馬二（たんこぼきばじ）さんを。アングラ劇団出身で、悪役俳優集団「悪役商会」の一員でもあった。エスコバーは目鼻がガバッとしてヒゲ面で、その丹古母鬼馬二さんに似ている。
開幕シリーズの西武戦で先発して負け投手、すぐに登録抹消される。その後は鎌ヶ谷の2軍施設でエスコバーの目撃情報があい次いだ。別にイリオモテヤマネコじゃないから目撃情報って言い方もないのだが、皆、「うわ、出た！」「うわ、いた！」とかメールにびっくりしたニュアンスがついている。いっぺん笑ったのは室内練習場の前で出待ちしていた中年女性グループ（あきらかに大谷くん目当て）が、誰か出てくる気配に扉のところに殺到したらエスコバーだったという事案だ。シュッとした人影を想定してたらずんぐりしたエスコバーが出てきた。そのとき「なーんだエスコバーか……」くらい言われていたのである。エスコバーは「？」という感じでニコニコしていた。
もう、僕らは「鬼馬二いいヤツじゃないか！」と高評価である。投球はムラがあるが、人柄が素晴らしい。この話にはオチがあって、その日、僕が鎌ヶ谷スタジアム売店で購入した「ホームランソーセージ」（首都圏では現在ここで買える）の野球カードがエスコバーだった。さっきの女性ファンの口ぶりを真似して「なーんだエスコバーか……」と言ってみる。久しぶりに心の底から笑った。4月はチームが上向かず、ちょっと凹んでいたのだ。