巨人10連敗が意味する時代の終わり。今こそチーム再編で「二塁手の呪い」も解消を【死亡遊戯コラム】
読売ジャイアンツは6月5日時点で53試合が終了し、23勝30敗で4位にいる。このままでは、最下位まで落ちるのも時間の問題だ。こんな時こそ長年のチームの課題である「二塁手がなかなか定着できない問題」について改めて考え、チーム再編をすべきではないだろうか。
2017/06/06
相変わらず固定できない巨人の二塁手
ついに10連敗だ。
巨人史上3度目の二桁連敗。これで最下位に終わった75年に記録した球団ワーストの11連敗まであと1となった。
この状況から脱するため打つ手がほとんど裏目に出る悪循環。得てして物事がうまくいかない時はこんなものだ。
例えば2軍で打撃好調のルイス・クルーズ内野手を昇格させ、抑えのアルキメデス・カミネロ投手を降格させると、新クローザーのスコット・マシソンが救援失敗。先発オーダーを大幅に入れ替えるも、ほとんど機能せず打線沈黙。
今季は53試合終了時、23勝30敗と苦戦が続いているが、これは「栄光の原巨人時代が完全に終わりつつある」ということだと思う。
V9時代の主力が衰えて11連敗をした75年と同じく、五冠時代の主力が衰えて10連敗を喫した2017年の由伸巨人。
強い原巨人の象徴でもあった最強キャッチャー阿部慎之助や鉄腕セットアッパー山口鉄也の後継者不在。
そしてここに来て重くのしかかるのが、長年のチームの懸念材料「固定できない二塁手問題」である。
まずは、この5シーズンの巨人二塁出場試合数を確認してみよう。
2013年
寺内崇幸 96
脇谷亮太 37
藤村大介 35
中井大介 30
立岡宗一郎 24
2014年
片岡治大 124
井端弘和 42
寺内崇幸 13
藤村大介 10
亀井善行 1
2015年
片岡治大 111
井端弘和 33
立岡宗一郎 19
吉川大幾 17
寺内崇幸 9
2016年
クルーズ 72
寺内崇幸 33
片岡治大 25
山本泰寛 22
脇谷亮太 17
2017年
中井大介 43
寺内崇幸 17
脇谷亮太 5
クルーズ 3
辻 東倫 2
山本泰寛 2
こうして振り返ると、13年は寺内を中心に5名で回す日替わりセカンド事情でリーグ連覇。それがFAで西武から片岡が加入した14年と15年はレギュラー片岡で落ち着いたかに思われたが、16年は故障を繰り返し離脱。こちらもロッテから移籍組のクルーズが正二塁手を務めた。
しかし、今季は外国人枠の関係でクルーズが開幕から起用できず、片岡も相変わらず故障に悩まされ、結果的に二塁が本職ではないプロ10年目の中井を二塁スタメンで使い続けるという危機的状況に陥ってしまった(中井は6月2日に1軍登録抹消)。