巨人10連敗が意味する時代の終わり。今こそチーム再編で「二塁手の呪い」も解消を【死亡遊戯コラム】
読売ジャイアンツは6月5日時点で53試合が終了し、23勝30敗で4位にいる。このままでは、最下位まで落ちるのも時間の問題だ。こんな時こそ長年のチームの課題である「二塁手がなかなか定着できない問題」について改めて考え、チーム再編をすべきではないだろうか。
2017/06/06
二塁手の呪い
今季はすでに8名が守るなど固定できない巨人二塁事情。しかもベンチの選択肢は中井、寺内、脇谷と5年前からほとんど顔触れが変わらない異常事態。編成もさすがにこのままではいけないと、去年のドラフト会議ではアマ球界No.1遊撃手と言われた吉川尚輝を1位指名するも、自主トレ中からの別メニュー調整で出遅れた。
他球団では源田壮亮(西武3位)や京田陽太(中日2位)といった吉川尚よりあとに指名された新人内野手がチームに新しい風を吹き込んでいるだけに、この巨人二塁冬の時代は現場だけではなくスカウト部門の責任も大きいように思える。
個人的に昨季ルーキーながら27試合で打率.256を残した山本に期待していたが、今季はキャンプから故障で出遅れ交流戦で1軍昇格するもわずか3試合で2軍降格。
思わず「二塁手の呪い」なんて言いたくもなる、セカンド候補の度重なる故障歴である。
その昔、90年代中盤から00年代中盤の巨人には仁志敏久という名二塁手がいた。
打っては3割近い打率に20本塁打、20盗塁。守っては99年から4年連続のゴールデングラブ賞を獲得。
ショート二岡智宏と組む華のある二遊間は多くのファンを魅了したものだ。
今の巨人には坂本勇人という打てて走れて守れる球史に残る名遊撃手がいる。
だが、坂本がレギュラーに定着してから10年弱、コンビを組む二塁手が固定できていない。
坂本が健在のうちに次代の仁志は出現するのか? それとも中途半端な補強ではなく、チームの土台になりえる大物選手の獲得を目指すのか?
75年に11連敗すると翌76年はトレード獲得した張本勲をチームの中心に据え長嶋監督が初優勝。06年に10連敗した翌07年は小笠原道大をFA獲得してクリーンナップを任せると再び原監督が復帰後初優勝。
言わば、巨人というチームは大型連敗が「チーム再編成」の合図でもある。
負けが続けば、過去を捨てるきっかけにはなる。
交流戦は残り12試合。この10連敗が、巨人の新しいスタートのきっかけだったと言われるような戦いぶりを見せてもらいたいものだ。