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勝利を引き寄せるのは“当たり”助っ人! 外国人補強からみるチーム事情【里崎智也の捕手異論】

日本球界での経験も豊富なウィリー・モー・ペーニャを緊急補強した千葉ロッテは、開幕から続く低迷から抜けだすことができるのか。本サイトでもおなじみ、里崎智也氏が語る「外国人補強」の内実とは!?(『週刊実話』17年6月1日号より抜粋して掲載。本記事は5月上旬の取材をもとに構成されています)

2017/06/21

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“お試し”補強は、優良助っ人あってこそ

──プロの“眼”をもってしても、出たとこ勝負になってしまうものだと。
 
 そうですね。世間一般には“当たり”の外国人を獲ってこないと「補強していない」みたいに言われますけど、補強そのものは毎年どの球団もやっている。それがたまたま“外れ”だっただけで獲ってくる側を責めたてるのは、さすがにかわいそうな気はします。そりゃ、外ればっかり獲ってくるようではフロントの責任は免れませんし、もし首脳陣が数いる候補の中から「この選手で」という意思表示をしているなら、当然そこにも責任の一端はあると思いますけどね。
 
──仮に失敗したとしても、次の一手を打とうと思えば、お金もかかります。
 
 そうそう。これは一般の企業でも同じだと思いますけど、結局のところ、ない袖は振れないってことなんです。大金を注ぎこんだプロジェクトが失敗したときに、同じだけのバジェットですぐさま「よし次、行こう」って言える会社はそうそうない。ロッテにソフトバンクと同じことをやれ、って言ったって、それは無理な相談ですからね。
 
──新外国人が機能しているかどうか、という尺度で見てみれば、セ・パ両リーグの現在のチーム状況にも得心がいきますね。
 
 去年の日本ハムだったら、レアードはホームラン王を獲ったし、メンドーサもそこそこ勝って、バース、マーティンは中継ぎ、抑えでフル回転。広島にしても、打つほうではエルドレッドがいて、ジョンソンは先発の柱で沢村賞。ジャクソンも“方程式”の一角として活躍した。その前年のソフトバンクにも李大浩やバンデンハーク、ヤクルトならバレンティン、バーネットと、投打に核となる外国人が必ずいた。しかも、そういう選手は必然的に長く在籍することにもなるから、その間にプラスアルファでオプションの“補強”を試すこともできるようになるわけです。広島なんかは、今でこそ「助っ人を獲ってくるのがウマい」みたいなイメージですけど、弱かったときは「誰やねん!」みたいな選手、いっぱいいましたからね(笑)。
 
(取材・文:『週刊実話』)
 
 
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里崎智也
 
1976年5月20日、徳島県生まれ。鳴門工(現鳴門渦潮高)、帝京大学を経て98年のドラフト会議で千葉ロッテマリーンズを逆指名して、入団。03年に78試合ながら打率3割をマークし、レギュラー定着の足がかりをつくる。05年は橋本将との併用ながらも、日本一に貢献。06年にはWBC日本代表として世界一にも輝いた。持ち前の勝負強さで数々の名シーンを演出。00年代の千葉ロッテを牽引した〝歌って、踊って、打ちまくる〟エンターテイナーとしてファンからも熱烈に支持された。14年限りで現役引退。現在はプロ野球解説者・評論家を務める。

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