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西武の新加入右腕、活躍なるか。打たせて取る投球持ち味も、右肘手術後に目立った実績なし

2017/06/20

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 埼玉西武ライオンズに新たに加入することとなった、元マイアミ・マーリンズ傘下3Aのスティーブン・ファイフ投手(30)。2008年のドラフト3巡目(全体85位)でボストン・レッドソックスに指名され、26歳でメジャーデビューを果たすなど、将来が嘱望されている選手の1人であった。
 
 レッドソックスに入団したファイフはマイナーで経験を積み、2011年にトレードでロサンゼルス・ドジャースに移籍。そして、26歳となる2012年にメジャーデビューを果たし、3年間で18試合に登板。しかし、2014年8月にトミー・ジョン手術を受け、2015年シーズンは所属球団なしでリハビリ生活を送った。
 
 その後は同年オフにベネズエラのウィンターリーグで実戦復帰を果たすと、2016年シーズンはシカゴ・カブス傘下の3Aに所属。現ソフトバンクの川崎宗則内野手とチームメイトになっていたが、ファイフは2年ぶりのメジャー昇格を果たすことはできなかった。
 
 そして、2017年シーズンはマイアミ・マーリンズの傘下3Aに所属。12試合で4勝3敗、防御率3.97という成績を残し、6月17日に西武から獲得が発表された。MLB通算では、18登板で91回を投げ4勝6敗、防御率3.66、70奪三振、33四球という成績を残した。
 
 ファイフは最速140キロ中盤の速球とツーシーム・カットボール・スライダー・カーブなどを武器としており、打たせて取る投球が持ち味の技巧派投手だ。キャリアのほとんどを先発投手として過ごしており、西武でも先発投手としての活躍が見込まれる。
 
 また、米データサイト「ファングラフス」によると、ファイフが打たせた打球はライナーが22.4%、フライが28.5%、ゴロが49.1%となっており、データからもゴロを打たせて取る投球が際立っていることが分かる。
 
 西武では、野上亮磨、ブライアン・ウルフといった投手と似た特徴を持っていると考えて良いだろう。また、今年の西武内野陣は浅村・源田の二遊間が盤石で、内野陣のレベルが高い。そのため、ファイフの投球がうまくハマればウルフのように大活躍を見せる可能性は大いにある。
 
 2014年のトミー・ジョン手術以降、メジャーのマウンドに上がっていないファイフ。手術明けに目立った実績を残せておらず、実力は未知数だが、2008年以来のリーグ優勝・日本一を目指すチームの救世主となることはできるだろうか。