ボーグルソンやマギーが語った「外国人は日本では不利にコールされる」は本当か？【豊浦彰太郎のMLB on the Web】
先日、『FOXスポーツ』にイノ・サリス記者の「日本のプロ野球は不公平か？」が掲載された。NPBでプレーした3人の選手が、「日本では不利にコールされる」といった発言をしている。果たして、本当にそうなのだろうか？
2015/02/15
日米の野球の違い
また他の事実を取り上げつつ、そこから異なる考察を提示している。それはMLBはNPBより投球に対する打者のスイング率が低いというもので、言い換えれば相対的に「MLBは球を見る」文化で、NPBは「振る」文化という指摘だ。
A group of players bred to play a certain way may have different results in a new league that plays differently. That’s how your strikeout rate might go up more than you would expect
あるプレースタイル（訳者注 この場合は「球を見る」ことを重視する野球文化）に慣れた選手は、（積極的に「振る」ことに重きを置くという）異なったスタイルのリーグでプレーすると、異なった結果となるのかもしれない。外国人選手の三振率が意外に上昇するのはそのためだ。
ストライクゾーンが異なる国でプレーした場合、「見る」文化で育った選手のほうが、「振る」文化を背景に持つ選手より見逃しの三振が増えるのは当然、というのがサリスの見方なのだ。
さらに、ある心理学者の研究結果も引用している。人は怒る、喜ぶ、感動するなど、感情的になった瞬間ほど出来事をより強く記憶するそうだ。そうすると、「普段は公平であっても、大事な場面では不利な判定を下されてしまう」とコメントしたパウエルの心理状況もよく理解できるのではないか。
「ガイジンは日本では差別されている」という選手の主張をスキャンダラスに煽るのではなく、定量的な事実をベースに考察するアプローチには感心すべき点が多い。
出典：”Is Japan’s professional baseball league unfair?”@ FOX Sports by Eno Sarris in Feb. 10th 2015