【SB】故障者続出も首位に肉薄。強さ生む充実のベンチ、チーム内競争もよりし烈に
パ・リーグ2位につける福岡ソフトバンクホークス。開幕から主力が立て続けに故障するも、交流戦は3年連続で頂点に立ち、選手層の厚さを見せつけた。リーグ戦が再開し、首位・東北楽天ゴールデンイーグルスとのゲーム差は0.5(29日現在)に迫ってきた。波に乗るチームには、内川聖一とデスパイネの主軸が復帰。レギュラー争いはますます加熱しそうだ。
2017/06/30
主力復帰で激化するレギュラー争い
6月27日の日本ハム戦から内川、デスパイネがスタメンに名を連ねた。まだ100パーセントの状態とは言えないながらも、本人の希望もあって復帰が決まった。藤本博史打撃コーチは「練習だけでは調子の良し悪しはわからない。試合感覚を取り戻すためには打席に立ってみないと」と話す。
チームの元気印・松田宣浩は「内川さんやデスパイネが戻ってきたことは大きい。でも、いない間に他の選手が頑張ってきた。これはチームにとってプラスでしかない」と言う。確かに戦力にこれだけの厚みがあることを再確認できたのだから、マイナス要素はない。
ただ、ケガ人続出の中、チャンスを掴もうと必死にアピールしてきた選手のことを考えると複雑である。結果がすべての厳しい世界とは言え、これまでの実績を無視した起用はしづらい。実際に工藤公康監督は、実績ある選手は同じスタートラインではないと明言している。それだけレギュラーの座を奪うのは厳しいことなのだ。
自らの努力でそのポジションを手にしたのが捕手の甲斐拓也だ。開幕当初は東浜巨、千賀の先発時にのみスタメンマスクを被っていた。しかし今では、投手に関わらず出場を続け、髙谷を抜いて最も多くマスクを被っている。
髙谷の抹消により、プロ初昇格を果たした3年目の栗原陵矢はこう話す。
「自力で掴んだ昇格とは言えないけど、1軍に上がったからにはたくさんのことを吸収して、アピールして、爪痕を残さないと。髙谷さんが治ったからと言って、ただでは落ちないようにしたい」
143試合を戦う中で、故障もあれば不調による入れ替えもあるだろう。そんなときこそどれだけ力を発揮できるか。選手個人としてもチームとしても、これから迎える夏場の戦いが勝負どころとなる。