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ヤクルトに漂う暗黒時代の危険性。口先だけの「一大改革」、止まらぬ“ヤ戦病院化”

東京ヤクルトスワローズは7月9日試合終了時点で、首位と21.5ゲーム差のセ・リーグ最下位だ。その主な理由に、近年悩まされ続けている主力の故障があるのは間違いない。選手たちの意識も問題ではあるが、それ以上にチーム全体の管理体制にメスを入れないことにはどうにもならないだろう。

2017/07/10

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新助っ人に期待

 ケガばかり繰り返す選手たちの意識欠如も大きな問題だとは思うが、やはりチーム全体として「ケガを未然に防ぎ、引き起こしてしまった場合に備える意味でも万全のサポートを行えるようにしておく」という主旨の管理体制がまるで整っていないのであろう。そうでなければ、ここまで主力にケガ人が続出することはまずあり得ない。
 
 2年前にリーグ優勝を果たしたことが、まるで“蜃気楼”だったかのように思える昨今のヤクルト。昨季は5位に沈み、このままペースを取り戻せなければ2年連続Bクラス、さらに3年ぶりの最下位も現実味を帯びてくる。
 
 球団はマイナーで通算105発を放ったという触れ込みの新外国人内野手カルロス・リベロ(ダイヤモンドバックス3A)を獲得。低迷打破のカンフル剤として期待しているようだが、選手たちのコンディショニングサポート体制の見直しを口先だけではなく抜本的に図ることも急務だ。
 
 Bクラスに沈む5位・読売ジャイアンツの低空飛行ばかりに注目が集まっていることで、幸か不幸か今のヤクルトには批判が集中しにくい状況になっている。だが、それに甘えて「ヤ戦病院化」をスルーしているようだと、2年連続最下位となった2013~2014年のような暗黒時代に再び突入してしまう危険性は高い。選手たちのグラウンドのプレーよりも、球団マスコットキャラクター・つば九郎のニュースのほうがネット上でアクセス数を稼ぐようではヤクルトに明るい未来はないだろう。

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