内川を三球三振に ”連敗”よりも、収穫だった東明の好投【どら増田のオリ熱コラム #11】
21日、宮崎アイビースタジアムでオリックス対ソフトバンクが行われた。ソフトバンクとはあの優勝を争った10.2決戦以来の対戦となる。結果は、0-1でオリックスは敗戦。連敗となったが、先発・東明の投球内容が収穫だった。
2015/02/21
攻めの姿勢で初戦、結果を残した東明
中でも、オープン戦初戦で明らかに昨年からの”進化”を見せた選手がいる。先発を務めたプロ2年目の東明大貴だ。
昨季はドラフト2位として、1位の吉田一将と同じく即戦力として期待された。
先発も中継ぎも経験し吉田とともに5勝を上げている。
しかし即戦力と期待されながらも、自信のなさを漂わせていた。もったいない四球から自滅をくり返すパターンが続き、昨年7月の1カ月だけで5敗も喫した。
今季は2人で20勝を目標にしている東明と吉田は、キャンプからブルペンでも隣りで投げ合う姿が度々見受けられ、練習でも前後に投げる機会が多かった。
シート打撃では層が厚くなった味方打線を相手にゴロやフライの山を築き、韓国KTウェズとの練習試合でも無失点と余裕あるピッチングを披露している。
順調な仕上がり具合から、オープン戦とはいえ森脇監督は開幕投手に指名したのだろう。東明に対するベンチの期待の高さが伺える。
王者との初戦。ソフトバンクは3番内川、4番柳田、5番李大浩、6番松田、7番松中……とメンバーを揃えてきた。強力ソフトバンク打線に対し、李大浩にヒット1本、キャッチャーの斐紹に四球を許したものの、1回から2回にかけて中村晃、内川、柳田を相手に三者連続三振を奪うなど、3回を1安打無失点に抑えた。
特に初回の内川の打席では、初球143キロでファール、2球目は129キロの変化球で空振りを奪い、3球目はインコースへ142キロのストレートで見逃し三振。あの内川が思わず苦笑いを浮かべたのは、オリックス側から見ればこの試合のハイライトと言ってもいい。
緩急を織り交ぜ、堂々たる投球内容で結果を残した。昨年とは明らかに違う”頼もしさ”を感じることができた、今日の登板はソフトバンクに連敗したことよりも遥かに大きな収穫である。
当然、打者はまだ調整段階であり、開幕まではまだ時間がある。
ただ、この強い気持ちを維持することができれば、東明の開幕ローテーション入りは近づくだろう。
「今日のピッチングは90点でした」
登板後の東明は自身のピッチングに高得点をつけた。
今年のキャンプ中継の人気企画リレーインタビュー「好きやねん、オリックス・バファローズ」(公式でYouTubeに動画公開中)で反響を呼んだ弾けっぷりを、シーズン中はヒーローインタビューでズッキーニをマイクに変えて、京セラドームで披露してくれる日が来ることを期待したい。